今回の箱根予選会は、東洋大学が10時間31分30秒でトップ通過。2位の中央学院大学に2分01秒の差をつけ、総合力の高さを示した。
注目されたのは、10位の法政大学と11位の国士舘大学による最後の出場枠争いだ。法政大学が10時間40分08秒で滑り込み、国士舘大学は10時間41分54秒で涙をのんだ。
関東学生陸上競技連盟が公開した公式チーム成績と、日本テレビの大会公式記録を基にした順位は次のとおり。
箱根予選会通過校一覧・全15校の順位出典:関東学生陸上競技連盟・第103回大会公式チーム成績、日本テレビ大会公式記録。通過は上位10校。
上位争いで際立った3つのポイント今回の順位には、単純なタイム以上に注目すべき部分がある。
- 東洋大学と2位の差は2分01秒。 トップ通過を決めた東洋大は、他校を大きく引き離した。
- 東海大学と専修大学はわずか1秒差。 3位と4位はほぼ同タイムの接戦だった。
- 10位と11位の差は1分46秒。 法政大学が最後の出場枠を守り、国士舘大学は本戦への道を断たれた。
また、12位の武蔵野学院大学と10位の法政大学の差は3分46秒。10位付近の争いは、最後の2校だけでなく、複数の大学が関わる厳しい競争だった。
【勝敗を分けた1分46秒】法政大学10位と国士舘大学11位の明暗

今回の大会で最も大きな注目を集めたのが、法政大学と国士舘大学の争いだ。
法政大学は10位で本戦出場を決めた一方、国士舘大学は11位。両校の総合タイムを比較すると、その差は明確になる。
10位・法政大学10:40:08
11位・国士舘大学10:41:54
10位と11位の総合タイム差1分46秒
10人の合計タイムを単純平均すると、1人当たり10.6秒の差に相当する。
法政大学にとって、今回の予選会は雪辱を果たす重要なレースだった。
2025年の第102回予選会では、法政大学は11位。10位の立教大学とのタイム差はわずか17秒で、本戦出場を逃していた。
それから1年。今回は10時間40分08秒で10位に入り、2年ぶりの本戦出場を決めた。
個人記録では、平井蒼大選手が1時間02分56秒で全体37位、野田晶斗選手が1時間02分59秒で42位と健闘。チームの上位選手が着実にタイムを積み重ねた。
法政大学の公式発表でも、10月17日の予選会で総合10位となり、本大会への出場権を獲得したことが報告されている。
国士舘大学はあと一歩で本戦を逃す国士舘大学は10時間41分54秒で11位。トップ10入りまで1分46秒届かなかった。
個人成績では、キブニ・エヴァンス選手が1時間02分21秒で全体11位と好走。チームの先頭を引っ張った。
続く山中寿世夢選手も1時間03分54秒で98位に入り、坂上悠選手、中村貫太選手、髙野耕太郎選手らも上位10人のタイムを構成した。
国士舘大学の公式報告によると、前半は本戦出場ラインの順位を維持していたものの、終盤にわずかにリードを許したという。小川博之駅伝監督は選手の奮闘をたたえ、翌年の予選会に向けた再出発を表明している。
公式記録の1分46秒と大学発表の1分14秒には違いがあるここで、記録を確認する際に注意したい点がある。
国士舘大学の公式ニュース本文には、11位となり「1分14秒差」で本戦出場を逃したとの記載がある。
しかし、同じ発表に掲載された国士舘大学の総合タイムは10時間41分54秒。法政大学の公式発表は10時間40分08秒となっている。
この2つの記録を引き算すると、差は1分46秒となる。関東学生陸上競技連盟と日本テレビの公式総合順位表も同じ結果だ。
したがって、両校の総合タイムに基づく比較では1分46秒が正しい。大学ニュース本文の1分14秒という記載とは整合しない点がある。
前年の17秒差から何が変わったのか2025年の第102回大会では、10位の立教大学と11位の法政大学の差は17秒だった。
2026年は法政大学と国士舘大学の差が1分46秒に広がった。約6倍の差である。
| 比較項目 | 2025年 | 2026年 |
|---|---|---|
| 10位 | 立教大学 | 法政大学 |
| 10位の記録 | 10:36:56 | 10:40:08 |
| 11位 | 法政大学 | 国士舘大学 |
| 10位・11位の差 | 17秒 | 1分46秒 |
この比較から分かるのは、予選会のボーダーラインは毎年同じタイムに固定されるものではないということだ。
前年の通過タイムを目標にしても、他校の戦力や当日のレース展開によって結果は変わる。2026年は10位と11位の差が広がったものの、最後の枠を争う厳しさそのものは変わらない。
【3大学の結果を検証】東洋大学・法政大学・国士舘大学の明暗
今大会の特徴を理解するには、3大学の戦い方を比較するのが分かりやすい。
東洋大学は21年ぶりの予選会でトップ通過東洋大学は今回、21年ぶりに箱根駅伝予選会へ参加した。
前回の第102回箱根駅伝では総合14位となり、長年維持してきたシード権を失っていた。連続シード記録は20で途切れたが、予選会からの再出発で見事に首位を獲得した。
東洋大学公式サイトによると、チームの総合タイムは10時間31分30秒。宮崎優選手が1時間01分05秒で全体4位、日本人トップの成績を収めた。
さらに注目したいのは、宮崎選手だけに頼らないチーム構成だ。
- 宮崎優選手:4位、1時間01分05秒
- 馬場大翔選手:29位、1時間02分49秒
- 内堀勇選手:30位、1時間02分49秒
- 松井海斗選手:36位、1時間02分55秒
- 薄根大河選手:47位、1時間03分05秒
- 倉本晃羽選手:64位、1時間03分23秒
- 陳内紫音選手:80位、1時間03分43秒
- 小野真和選手:84位、1時間03分46秒
- 生天目温選手:90位、1時間03分49秒
- 世利雄太選手:118位、1時間04分06秒
上位9人が1時間04分を切り、10人目も1時間04分06秒でまとめた。
つまり、突出したエースの存在に加えて、10番手までの選手が大崩れしなかったことが首位通過につながった。
酒井俊幸監督は大学公式発表で、予選会のトップ通過をゴールではなく、本戦でシード権や上位を狙うための出発点と位置付けている。
法政大学は選手層で最後の出場枠を確保法政大学は個人上位の選手が安定したタイムを記録した。
特に平井蒼大選手と野田晶斗選手が全体40位前後に入り、チームの得点源となった。
予選会は、個人順位が高い選手を1人そろえれば突破できる大会ではない。上位10人のタイムがすべて加算されるため、上位選手だけでなく、後続の選手がどれだけ粘れるかが大切だ。
前年11位から今年10位へと順位を上げた法政大学は、まさにチーム全体で出場権をつかんだ大学だった。
国士舘大学はエースの好走を生かし切れず国士舘大学のエヴァンス選手は全体11位。個人順位だけを見れば、予選会全体でも非常に高い水準だった。
しかし、チーム順位は11位にとどまった。
ここに箱根予選会の難しさがある。エースが上位で走っても、残る9人の合計タイムが出場ラインを超えなければ本戦には進めない。
国士舘大学の今回の結果は、駅伝における選手層の重要性を改めて示した。
【箱根予選会のルールと仕組み】なぜ上位10人が重要なのか
箱根駅伝予選会は、一般的なロードレースとは異なる大学対抗の選考方式を採用している。
日本テレビの大会公式ルールによると、各大学から最大12人がハーフマラソンに出走し、上位10人の合計タイムで順位を決定する。
予選会の基本ルール| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開催日 | 2026年10月17日 |
| スタート | 午前8時30分 |
| 出場校 | 45校 |
| 出走人数 | 各校10~12人 |
| 距離 | 21.0975km |
| 順位決定 | 上位10人の合計タイム |
| 本戦出場枠 | 上位10校 |
| 本戦日程 | 2027年1月2日・3日 |
同タイムの場合は、上位10人の個人順位の合計が小さい大学を上位とする。それでも決まらない場合は、最上位選手の個人順位で決着する。
なお、参加資格にも基準がある。2026年大会では、原則として10000m34分00秒以内、またはハーフマラソン1時間13分00秒以内の公認記録などが求められた。
上位10人合計タイムとは?例えば、A大学の選手12人が出走した場合、12人全員の記録を合計するわけではない。
上位10人の記録だけを採用し、その合計で大学の順位が決まる。
仮に10人の平均タイムが1時間04分だった場合、チーム総合タイムは次のようになる。
\[
64分 \times 10人 = 640分
\]
つまり、10時間40分となる。
ここで重要なのは、11番目、12番目の選手の記録はチーム総合タイムに加算されないことだ。
ただし、上位10人に入る選手が途中で失速すれば、その分だけ総合タイムが悪化する。控えを含むチーム全体の準備やコンディション管理が結果に影響する。
立川コースの特徴と攻略ポイント立川コースは陸上自衛隊立川駐屯地からスタートし、立川市街地を経由して国営昭和記念公園でフィニッシュする21.0975kmのコースだ。
大きく3つの区間に分けられる。
第1区間:立川駐屯地・スタートから8.2km
駐屯地内の滑走路を約3周する。平坦な区間だが、周囲に建物が少なく、距離感をつかみにくい。序盤からペースを上げすぎない冷静さが必要になる。
第2区間:立川市街地・8.2kmから13.9km
市街地に入ると左右の曲がり角が増える。選手同士の位置取りや集団走が重要になる区間で、ペース配分を崩さないことが求められる。
第3区間:昭和記念公園・13.9kmからゴール
最後の約7.2kmは、アップダウンが増え、道幅も狭くなる。ここでは個々の走力が問われ、特にチーム内9番目、10番目の選手の粘りが順位を左右する。
このコース構成を考えると、東洋大学のように上位選手から10番手まで安定して走れるチームが強い理由も理解できる。
【個人成績と注目選手】キピエゴ、エティーリ、宮崎優の走り
チーム順位とともに注目したいのが、個人順位だ。
第103回予選会では、山梨学院大学のブライアン・キピエゴ選手が1時間00分48秒でトップ。1時間01分を切る圧巻の走りを披露した。
個人上位10人の結果| 個人順位 | 選手 | 大学 | 記録 |
|---|---|---|---|
| 1位 | B.キピエゴ | 山梨学院大 | 1:00:48 |
| 2位 | R.エティーリ | 東京国際大 | 1:00:59 |
| 3位 | B.テスファイゼラツィオン | 武蔵野学院大 | 1:00:59 |
| 4位 | 宮崎優 | 東洋大 | 1:01:05 |
| 5位 | D.キプルト | 日本薬科大 | 1:01:15 |
| 6位 | B.キプトゥーブシューアキットゥ | 麗澤大 | 1:01:32 |
| 7位 | 前田和摩 | 東京農業大 | 1:01:57 |
| 8位 | S.レマイヤン | 駿河台大 | 1:02:02 |
| 9位 | R.ロンギサ | 拓殖大 | 1:02:04 |
| 10位 | 永本脩 | 東海大 | 1:02:19 |
出典:関東学生陸上競技連盟・第103回予選会個人成績。
ブライアン・キピエゴ:個人トップの実力山梨学院大学のキピエゴ選手は1時間00分48秒で個人1位。
山梨学院大学はチーム総合6位で本戦出場を決めた。個人トップの選手がいるだけでなく、チーム全体で上位10校に入った点が評価できる。
リチャード・エティーリ:個人2位でもチームは15位東京国際大学のエティーリ選手は1時間00分59秒で個人2位。
しかし、東京国際大学のチーム総合順位は15位だった。
これは予選会の仕組みを理解するうえで重要な例だ。個人で上位に入ることと、大学全体で本戦出場を決めることは別問題である。
宮崎優:東洋大学の日本人トップ東洋大学の宮崎優選手は1時間01分05秒で総合4位。日本人選手の中ではトップだった。
トップ通過した東洋大学の象徴的な選手であり、チームの勢いを作った存在だ。
前田和摩:東京農業大学の7位東京農業大学の前田和摩選手は1時間01分57秒で個人7位。
チームは総合5位で通過しており、個人上位の走りと団体としての安定感が両立した。
今回の個人成績から見えてくるのは、個人の記録だけでは本戦出場を判断できないということだ。チーム総合順位と個人順位の両方を見ることで、予選会の実態がより明確になる。
【箱根駅伝2027本戦出場校と歴代記録】次の箱根路はどうなる?
第103回箱根駅伝は2027年1月2日・3日に開催される。
予選会を突破した10校に加えて、2026年1月の第102回大会でシード権を獲得した10校が出場する。
箱根駅伝2027のシード校10校前回大会の総合順位10位以内に入った大学は、予選会を免除されている。
- 青山学院大学
- 國學院大學
- 順天堂大学
- 早稲田大学
- 中央大学
- 駒澤大学
- 城西大学
- 創価大学
- 帝京大学
- 日本大学
- 東洋大学
- 中央学院大学
- 東海大学
- 専修大学
- 東京農業大学
- 山梨学院大学
- 大東文化大学
- 神奈川大学
- 日本体育大学
- 法政大学
この20大学にオープン参加の関東学生連合チームを加えた構成で、第103回箱根駅伝が行われる。
箱根予選会の歴代記録を比較予選会のボーダーラインは、毎年変わる。
近年の結果を比較すると、2025年と2026年の差が分かりやすい。
| 大会 | 1位 | 10位 | 11位との差 |
|---|---|---|---|
| 第102回・2025年 | 中央学院大 | 立教大 | 17秒 |
| 第103回・2026年 | 東洋大 | 法政大 | 1分46秒 |
2026年の東洋大学は10時間31分30秒で、前年の中央学院大学の10時間32分23秒を53秒上回った。
一方、10位の通過タイムは前年の10時間36分56秒から10時間40分08秒へと変化している。
ただし、予選会の歴代記録を比較するときには注意が必要だ。大会によって出場枠や距離、コース条件が異なる時代がある。例えば、過去には20kmで実施された大会もあり、現在の21.0975kmの記録と単純に比較することはできない。
歴代記録を調べる場合は、大会回数だけでなく、距離と選考枠も一緒に確認することが大切だ。
第104回から予選会の出場枠が拡大今回の第103回大会には、もう一つ大きな意味がある。
それは、従来の出場枠で争う最後の大会だったことだ。
関東学生陸上競技連盟が発表した制度変更によると、2028年1月の第104回大会から、本戦の出場チーム数が拡大する。
- 通常大会:大学単独チームが20校から23校へ増加
- 記念大会:大学単独チームが25校となり、日本学生選抜チームも参加
- 記念大会の予選会:全国の大学に参加資格を拡大
- 記念大会の開催頻度:5年に1回から4年に1回へ変更
第104回大会は記念大会に当たり、予選会の通過校も10校から15校へ増える予定だ。
したがって、2026年の第103回予選会は、10枠という狭い門をめぐる最後の戦いだった。国士舘大学をはじめ、今回あと一歩届かなかった大学にとっても、次回は新しい制度の下で再挑戦する機会となる。
【箱根予選会に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:箱根予選会2026の通過校10校はどこですか?
A1:東洋大学、中央学院大学、東海大学、専修大学、東京農業大学、山梨学院大学、大東文化大学、神奈川大学、日本体育大学、法政大学です。東洋大学が1位、法政大学が10位で通過しました。
Q2:箱根予選会2026の1位はどの大学ですか?
A2:東洋大学です。総合タイムは10時間31分30秒でした。21年ぶりの予選会出場でトップ通過を果たしました。
Q3:法政大学と国士舘大学の差は何分ですか?
A3:1分46秒です。法政大学が10時間40分08秒で10位、国士舘大学が10時間41分54秒で11位でした。
Q4:箱根予選会は何人のタイムで順位を決めますか?
A4:各大学から出走した選手のうち、上位10人の合計タイムで順位を決めます。各大学は最大12人まで出走できます。
Q5:箱根予選会2026の個人1位は誰ですか?
A5:山梨学院大学のブライアン・キピエゴ選手です。記録は1時間00分48秒でした。
Q6:第103回箱根駅伝の本戦はいつ開催されますか?
A6:2027年1月2日(土)に往路、1月3日(日)に復路が開催されます。シード10校と予選会通過10校の計20大学に、関東学生連合チームが加わります。
Q7:箱根駅伝予選会の通過枠は今後増えますか?
A7:増えます。第104回大会から出場チーム数が拡大し、2028年の記念大会では予選会の通過校が15校となる予定です。
第103回箱根駅伝予選会は、2026年10月17日に立川で開催され、東洋大学が10時間31分30秒で首位通過を果たした。
法政大学は10位で本戦出場を決め、国士舘大学は11位。両校の差は1分46秒だった。
今回の結果から読み取れるのは、箱根予選会がエースの速さだけで決まる大会ではないということだ。上位10人の合計タイムというルールがある以上、チーム全体の走力と、終盤まで粘り続ける選手層が結果を左右する。
特に東洋大学は、宮崎優選手の日本人トップの走りと、上位9人が1時間04分を切る安定した成績で、予選会から箱根路への復帰を実現した。
一方、法政大学は前年の17秒差による敗退から立ち直り、最後の出場枠を獲得。国士舘大学はエースの好走を生かしながらも、あと一歩届かなかった。
そして2027年1月の本戦は、現行の出場枠による最後の箱根駅伝となる。2028年からの制度変更を前に、今回の予選会は大学駅伝の競争構造が変わる節目の大会でもあった。
【プロの結論】
箱根予選会を評価するときに見るべき数字は、1位のタイムだけではない。
- 上位10人の合計タイム
- チーム内の9番目・10番目の選手の記録
- 10位と11位のタイム差
- 個人順位とチーム順位の関係
- 前年からの順位・タイムの変化
この5つを確認すれば、単なる順位表では分からない大学ごとの強みと課題が見えてくる。
2027年の箱根路では、予選会を突破した10校がシード校にどこまで迫れるか。そして、トップ通過の東洋大学が本戦でどのような走りを見せるのか。秋の立川で決まった順位は、正月の箱根駅伝へとつながっている。