『逆賊の幕臣』は、NHKが制作する2027年の大河ドラマ第66作です。主人公に選ばれたのは、幕末の政治・外交・軍事の分野で活躍した小栗忠順。明治維新を勝者である薩長側ではなく、敗者となった江戸幕府の幕臣から描く点が大きな特徴です。
2026年11月3日時点で公表されている放送情報は次のとおりです。11月2日には初回の15分拡大版も発表されました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作品名 | 逆賊の幕臣 |
| 放送年 | 2027年 |
| 大河ドラマ | 第66作 |
| 放送開始日 | 2027年1月10日(日) |
| 主演 | 松坂桃李 |
| 主人公 | 小栗上野介忠順 |
| 脚本 | 安達奈緒子 |
| 音楽 | 大間々昂 |
| 語り | 青木崇高 |
| 時代考証 | 岩下哲典、門松秀樹 |
| 制作統括 | 勝田夏子、深川貴志 |
初回は15分拡大版。NHK総合では毎週日曜午後8時から8時45分まで放送され、翌週土曜午後1時5分から再放送される予定です。NHK BSは日曜午後6時、NHK BSP4Kは日曜午後0時15分と午後6時の放送が予定されています。
2026年11月2日に発表された新情報放送開始まで約2か月となった11月2日には、番組のビジュアルと音楽に関する情報が公開されました。
- 語り:青木崇高。栗本鋤雲役とナレーションを兼任。
- 音楽:大間々昂。映画『正体』などの音楽を手がけた作曲家。
- 題字・アートディレクション:木谷友亮。
- キービジュアル撮影:高梨遼平。
- 人物デザイン監修:柘植伊佐夫。
キービジュアルでは、下を向いた小栗を地面に近い位置から見上げるローアングルで表現。幕臣としての立場と、内面に秘めた強さを対比させるデザインになっています。
また、11月2日に公開された高崎市での関連イベントでは、上白石萌音、青木崇高、草川拓弥、甲本雅裕らが登壇。初回放送日にパブリックビューイングを開催する予定も発表されました。
【主演・全キャスト一覧】松坂桃李から大沢たかお、鈴木京香、上白石萌音まで
本作のキャスティングで目を引くのは、主人公の家族、幕府の中枢、勝海舟の周辺、薩摩・長州、朝廷という複数の勢力に実力派俳優を配置していることです。
2026年11月3日までに公表された出演者を、役柄ごとに整理します。
主人公・小栗家と勝家の出演者- 松坂桃李:小栗忠順(主演)
- 北村有起哉:小栗忠高(忠順の父)
- 鈴木京香:くに(忠順の母)
- 上白石萌音:みち(忠順の妻)
- 齋藤潤:小栗忠道(悌次郎、小栗家の養子)
- 大沢たかお:勝海舟
- 瀧内公美:たみ(勝海舟の妻)
松坂桃李が演じる小栗忠順は、数字や財政に強く、外交や軍事の近代化を推し進めようとした幕臣です。単純な英雄像ではなく、組織の中で改革を実現しようとする人物として描かれます。
上白石萌音が演じる妻のみちは、夫を支えるだけの存在ではありません。公式の人物紹介では、物事の由緒や金銭の記録を好む父親の影響を受けた、独自の鑑識眼を持つ人物として紹介されています。
鈴木京香は母・くにを担当。北村有起哉が父・忠高を演じ、主人公の人格形成に関わる小栗家の人々を描きます。
一方、勝海舟の妻・たみ役は瀧内公美。小栗家と勝家という二つの家庭を描くことで、政治の表舞台とは異なる幕末の暮らしも物語に加わります。
小栗忠順を取り巻く人物・幕臣仲間- 青木崇高:栗本鋤雲
- 高橋光臣:駒井朝温
- 宮野真守:滝川具挙
- 芝大輔:朝比奈昌広
- 中村雅俊:安積艮斎
- 荒川良々:三野村利左衛門
- 飯尾和樹:建部政醇
- 草川拓弥:荒川祐蔵
- ANI:武笠祐左衛門
- 甲本雅裕:佐藤藤七
注目したいのは青木崇高の栗本鋤雲です。小栗の幼なじみで、生涯にわたる盟友として紹介されています。さらに11月2日の発表で、本作の語りも担当することが決まりました。
宮野真守が演じる滝川具挙は、小栗の幼なじみ。高橋光臣の駒井朝温は、小栗家の後継ぎ問題にも関係する人物です。主人公の人生を支える人々が、単なる脇役ではなく、それぞれの立場から幕末を生きる構成になっています。
江戸幕府・将軍家の出演者- 宅麻伸:徳川家慶(12代将軍)
- ふかわりょう:徳川家定(13代将軍)
- 神尾楓珠:徳川家茂(14代将軍)
- 岩田剛典:阿部正弘(老中)
- 北村一輝:鳥居耀蔵(南町奉行)
- 柄本明:徳川斉昭(水戸藩主)
- 岡部たかし:井伊直弼(大老)
とりわけ注目されるのが、岩田剛典の阿部正弘役です。阿部はペリー来航などの外交問題に直面し、幕府内外の意見を取りまとめようとした老中です。若くして幕政の中心に立った政治家であり、小栗が活躍する時代の重要人物にあたります。
また、岡部たかし演じる井伊直弼は、小栗を幕政の中心へ引き上げた人物。小栗の能力を見抜いた上司として、物語の初期に大きな意味を持ちます。
朝廷・薩摩・長州の出演者- 眞栄田郷敦:孝明天皇
- 奥野壮:明治天皇
- 山中崇:岩倉具視
- 長塚京三:鷹司政通
- 中村倫也:吉田松陰
- 寛一郎:高杉晋作
- 斎藤工:島津久光
- 西岡德馬:島津斉彬
幕末の歴史を理解するうえで欠かせないのが、朝廷と薩摩・長州の動きです。小栗の近代化政策は幕府内部の問題だけで完結しません。開国をめぐる朝廷との対立、倒幕を進める西国雄藩の政治的な動きが、彼の運命を左右していきます。
吉田松陰役の中村倫也、高杉晋作役の寛一郎、島津久光役の斎藤工、島津斉彬役の西岡德馬という顔ぶれは、幕府側だけでなく倒幕へ向かう側の論理も描くための重要な布陣です。
【小栗上野介忠順の生涯と功績】遣米使節から横須賀製鉄所建設まで
小栗上野介忠順は、1827年に生まれ、1868年に42歳で亡くなった幕臣です。官名である「上野介」から、小栗上野介という名前でも知られています。
国立国会図書館の人物資料によれば、父は新潟奉行を務めた小栗忠高。1855年に家督を継ぎ、1859年に目付となりました。その後、外国奉行、勘定奉行、軍艦奉行など幕府の重要な役職を歴任します。
1860年の遣米使節で小栗が見たもの小栗の生涯を理解するうえで欠かせないのが、万延元年(1860年)の遣米使節です。
この使節団は、日米修好通商条約の批准書を交換するために派遣されました。小栗は目付として参加し、米艦ポーハタン号に乗船してアメリカへ渡ります。
ここで押さえておきたいのは、小栗は使節団の正使ではなく、監察・目付の立場だったという点です。使節団の代表は新見正興。小栗はその一員として外交・技術・経済に関する見聞を広げました。
渡米後、小栗が関心を寄せたのは、政治制度だけではありません。工場、造船所、貨幣制度、軍事技術など、日本の国力を支える仕組みそのものでした。
横須賀市の観光・歴史資料では、フィラデルフィアの造幣局で日本とアメリカの金貨の含有量や交換比率の問題に向き合ったことも紹介されています。そろばんと天秤を使って通貨の価値を分析したという逸話は、小栗の実務能力を象徴するエピソードです。
横須賀製鉄所は日本の近代化の出発点遣米使節で小栗が特に注目したのが、アメリカの海軍造船所でした。
当時の日本は、欧米列強の軍事力と産業力に対抗する必要がありました。外国船が来航するたびに対応するだけでは、国の独立を守れないという危機感が強まっていたのです。
小栗は造船所を日本国内に建設する必要性を幕府に訴え、文久3年(1863年)には製鉄所建設案を提出。反対意見もあるなか、フランスの協力を得て、1865年11月15日に横須賀製鉄所の建設が始まりました。
小栗の死後となる1871年には、現在も残る1号ドックが完成。横須賀製鉄所は、その後の日本の造船・海軍技術の発展を支える重要な施設となりました。
小栗忠順の生涯を年代順に整理- 1827年:江戸の神田駿河台で誕生。
- 1855年:小栗家の家督を相続。
- 1859年:目付となる。
- 1860年:遣米使節団の目付として渡米。
- 1862年:勘定奉行など幕府の要職を歴任。
- 1863年:横須賀製鉄所の建設構想を提出。
- 1865年:横須賀製鉄所の建設開始。
- 1868年1月:幕府の役職を罷免される。
- 1868年3月:上州権田村へ移る。
- 1868年5月27日:新政府軍によって斬首される。
この経歴から見えてくるのは、小栗が単なる外交官でも軍人でもなかったということです。財政、産業、軍事、外交を横断し、国家の仕組みそのものを変えようとした行政官でした。
【なぜ小栗忠順は「逆賊」とされたのか】明治新政府との対立と最期
『逆賊の幕臣』というタイトルの核心にあるのが、小栗忠順が明治新政府から逆賊とみなされ、最終的に処刑された歴史です。
小栗は徳川幕府の重臣として、幕府の存続と近代化を追求していました。しかし、1867年の大政奉還から1868年の戊辰戦争へと政治情勢が急変すると、幕府に仕える立場そのものが新政府との対立要因になっていきます。
戊辰戦争で徹底抗戦を主張1868年1月、鳥羽・伏見の戦いで旧幕府軍が敗北すると、徳川家の今後をめぐって幕府内部でも意見が分かれました。
小栗は薩長勢力に対する強硬な抗戦論を主張します。しかし、徳川慶喜らの方針と一致せず、幕府内での立場を失いました。
国立国会図書館の人物資料にも、戊辰戦争に際して強硬な抗戦論を唱えたこと、その後に罷免されて権田村へ隠棲したことが記録されています。
権田村への隠棲と突然の処刑幕府での役職を失った小栗は、現在の群馬県高崎市倉渕町権田に移り住みます。そこで家族や家臣らと生活を始めました。
しかし、1868年5月、小栗は新政府軍によって捕らえられます。
高崎市の文化財案内によると、小栗と家臣3人は慶応4年閏4月5日に捕縛され、翌6日に水沼河原で斬首されました。現在の暦では1868年5月27日にあたります。
特に注目されるのは、高崎市が指定文化財として紹介する終焉の地に、昭和7年(1932年)、地元有志によって建立された「偉人小栗上野介罪なくして此所に斬らる」という碑があることです。これは小栗の処刑に対する地元の歴史認識と、後世の名誉回復の動きを示すものです。
「逆賊」は歴史の絶対評価ではないここで重要なのは、逆賊という言葉をそのまま小栗の人物評価と受け取らないことです。
新政府の側から見れば、小栗は旧幕府の中枢にいて、最後まで徳川家の軍事的抵抗を支持した人物でした。一方、旧幕府の側から見れば、彼は幕府を立て直し、外国の圧力から日本を守ろうとした行政官でした。
つまり、同じ行動でも、政権交代の勝者と敗者では評価が変わります。小栗の近代化構想は、後に明治政府が進めた造船・軍事・産業政策とも接点を持ちます。
高崎市も、小栗が進めた政策やインフラ整備の一部が新政府に引き継がれたことを紹介しています。政治的には敗者となった人物の仕事が、国家の発展には生かされたという歴史の逆説こそ、本作の最も興味深い部分です。
【勝海舟と小栗忠順の関係】大沢たかおとの対照的な人物像
小栗忠順と勝海舟は、ともに幕末の近代化を考えた幕臣です。しかし、国家を変える方法については異なる考えを持っていました。
勝海舟を演じるのは大沢たかお。2025年10月に出演が発表され、公式の作品紹介では小栗の最大のライバルであり、互いを理解する存在として位置づけられています。
二人の違いは幕府をどう変えるかドラマの公式紹介が示す二人の対比は、非常に明快です。
- 小栗忠順:幕府の組織を改良し、人々を束ねる仕組みを作ろうとする。
- 勝海舟:幕府という既存の枠組みにこだわらず、能力ある個人が活躍できる新しい時代を目指す。
小栗は財政・軍事・外交を制度として整えようとした人物です。勝は、既存の組織に縛られず、時代の変化に応じて人材や政治の仕組みを組み替える方向を志向します。
二人は単純な敵同士ではありません。異なる才能を認め合いながらも、幕府の将来について違う道を選んでいく関係として描かれます。
二人の関係を整理する人物相関表作品の人物関係を理解するため、主要人物とそのつながりを整理しました。
この相関関係を見ると、『逆賊の幕臣』が小栗と勝の二人だけの物語ではないことが分かります。江戸幕府、朝廷、薩摩、長州という四つの政治勢力が絡み合うことで、幕末の複雑な意思決定を立体的に描こうとしているのです。
【2026年最新情報】安達奈緒子の脚本とNHK ONE見逃し配信の見どころ
作品の評価を左右するもう一つの要素が脚本です。
脚本は安達奈緒子本作の脚本を担当するのは、安達奈緒子です。
代表的な作品には、連続テレビ小説『おかえりモネ』やドラマ『きのう何食べた?』などがあります。人物の内面や人間関係を丁寧に描く作風で知られています。
今回の題材は、幕末の政治・外交・軍事という専門的な要素を含みます。そこに家族、盟友、上司、ライバルとの関係をどう組み込むかが、作品の見どころです。
制作側が公表している物語では、単純な善悪の対立ではなく、それぞれが日本の未来を考えて行動しながら、政治的な立場の違いによって対立していく構図が示されています。
NHK ONEで同時・見逃し配信予定『逆賊の幕臣』は、NHK ONEで同時配信・見逃し配信が予定されています。
リアルタイムでの視聴が難しい人にとって、見逃し配信は便利な選択肢です。特に本作は幕末の政治的な出来事や人物関係が複雑なため、気になる場面を見返しながら視聴する楽しみ方も考えられます。
なお、配信開始時刻、見逃し視聴可能期間、利用条件などは、放送開始前後にNHKの最新案内を確認するのがおすすめです。現段階で公表されているのは、同時・見逃し配信を予定しているという情報です。
『逆賊の幕臣』を楽しむための3つの視点このドラマをより深く楽しむなら、次の3点に注目するとよいでしょう。
1. 勝者ではなく敗者から幕末を見る
幕末を扱う作品では、坂本龍馬、西郷隆盛、勝海舟など、維新後の歴史に名を残した人物が中心になることが多くあります。本作は旧幕府側の政治家に焦点を当て、維新の別の側面を見せてくれます。
2. 近代化を実現するための行政と技術に注目する
小栗の功績は横須賀製鉄所だけではありません。財政、軍制、外交、産業という複数の分野を結びつけた点に特徴があります。単なる時代劇としてではなく、日本の近代国家形成の物語として見ると理解が深まります。
3. 人物の正義がぶつかる場面を見逃さない
小栗、勝、阿部正弘、井伊直弼、島津久光らは、それぞれ異なる立場から日本の将来を考えています。誰か一人の考えだけが正しいという構図ではありません。政治的な判断の違いが、やがて個人の運命を変えていく点に注目したいところです。
【27年大河ドラマ】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2027年の大河ドラマは何というタイトルですか?
A1:NHK大河ドラマ第66作『逆賊の幕臣』です。松坂桃李が小栗上野介忠順を演じます。
Q2:『逆賊の幕臣』の放送開始日はいつですか?
A2:2027年1月10日(日)です。初回は15分拡大版の予定です。
Q3:勝海舟役は誰が演じますか?
A3:大沢たかおです。小栗忠順のライバルであり、互いの能力を認め合う人物として描かれます。
Q4:上白石萌音と鈴木京香は何役ですか?
A4:上白石萌音は小栗忠順の妻・みち役、鈴木京香は母・くに役です。
Q5:岩田剛典は何役で出演しますか?
A5:岩田剛典は老中・阿部正弘役です。ペリー来航などの国難に対応し、幕政改革を進めようとする若き政治家を演じます。
Q6:小栗忠順はなぜ逆賊と呼ばれたのですか?
A6:徳川幕府の重臣として戊辰戦争で新政府軍への徹底抗戦を主張し、新政府側から敵視されたためです。1868年に捕らえられ、取り調べを受けることなく斬首されました。
Q7:NHK ONEで見逃し配信はありますか?
A7:NHK ONEで同時配信・見逃し配信が予定されています。具体的な視聴条件や配信期間は、NHKの公式案内で確認してください。
2027年のNHK大河ドラマ第66作『逆賊の幕臣』は、松坂桃李主演で小栗上野介忠順の生涯を描く作品です。放送開始日は2027年1月10日(日)。脚本は安達奈緒子、勝海舟役は大沢たかお、上白石萌音、鈴木京香、岩田剛典らも出演します。
小栗忠順は、1860年の遣米使節として欧米の技術や制度を学び、帰国後は横須賀製鉄所の建設を推進しました。日本の近代化に貢献しながら、戊辰戦争では旧幕府側の立場を貫き、明治新政府によって処刑された人物です。
本作の最大の見どころは、歴史の勝者が語ってきた明治維新を、敗者となった幕臣の視点から描き直すことにあります。小栗と勝海舟の異なる国家構想、阿部正弘や井伊直弼との政治的関係、薩摩・長州・朝廷との対立を追うことで、幕末という時代の複雑さが浮かび上がってきます。
2026年11月2日には語りを務める青木崇高や音楽担当の大間々昂も発表され、放送に向けた情報公開が進んでいます。歴史上の人物を知りたい人はもちろん、これまでの幕末ドラマとは異なる視点を楽しみたい人にとっても、注目すべき一作です。
2027年1月の初回放送では、小栗忠順が何を見て、何を守ろうとしたのか。その出発点となる遣米使節の物語に注目したいところです。