2026年の金久保優斗は、キウム・ヒーローズのブルペンを支えるリリーフ投手として登板を重ねました。注目すべきなのは、ヤクルト時代には記録していなかったセーブを、韓国で14個挙げたことです。
KBO公式記録による2026年レギュラーシーズンの成績は次のとおりです。
金久保優斗(登録名:ユウト)
48
右投左打・投手/2026年加入
59
登板数
14
セーブ
12
ホールド
5.19
防御率
5勝5敗
勝敗
54
奪三振
投球回
50回1/3
被安打
64
WHIP
1.63
セーブ失敗
5
出典:韓国プロ野球KBO公式記録。2026年レギュラーシーズンの成績。
特に注目したいのが14セーブという数字です。
KBO公式記録では、2026年のセーブ数はリーグ7位。新天地でリリーフとして役割を得ただけでなく、試合を締めくくる場面を任される投手になりました。
6月23日にスポーツナビが掲載した韓国プロ野球取材記事では、6月21日時点で35試合に登板し、4勝4敗、11セーブ、7ホールドを記録。4月下旬から終盤のリード時や同点時に起用され、クローザーとして存在感を示していると紹介されました。
その後、シーズン終了までに14セーブ、12ホールドまで数字を伸ばしています。
ただし、防御率5.19、WHIP1.63、セーブ失敗5という数字も見逃せません。
つまり、2026年は守護神として起用される機会を得た一方、圧倒的な安定感を示したシーズンではありません。14セーブという成果と、失点の多さという課題を分けて評価する必要があります。
【ヤクルト戦力外の理由】2021年の躍進から2025年の不振まで
金久保がヤクルトから戦力外通告を受けたのは、2025年9月29日です。
球団事務所で取材に応じた金久保は、成績が残せなかったことを受け止める様子を見せました。
日刊スポーツの報道によると、本人は当時、次のように話しています。
「結果も残ってなかった。(戦力外)かなとは思ってました」
2025年の成績だけを見ると、12試合に登板して0勝1敗、1ホールド、防御率7.71。投球回は14回で、被安打23、本塁打4、奪三振11でした。
決して一軍で安定した結果を残したとはいえない数字です。
2021年は防御率2.74で期待を集めた金久保のキャリアを振り返るうえで欠かせないのが2021年です。
この年は10試合に登板し、4勝1敗、防御率2.74を記録しました。先発として8試合に起用され、42回2/3を投げて34奪三振を記録しています。
当時は力強いストレートを武器に、ヤクルトの若手先発候補として期待されていました。
ところが、その後は一軍での登板機会が安定しませんでした。
- 2022年:3試合、1勝1敗、防御率7.71
- 2023年:1試合、4投球回、防御率0.00
- 2024年:5試合、0勝1敗、防御率3.52
- 2025年:12試合、0勝1敗、防御率7.71
2023年と2024年は登板数そのものが少なく、継続的に一軍で実力を証明する機会を十分に得られませんでした。2025年には自己最多の12試合に登板しましたが、結果につながらなかったのです。
戦力外の理由は成績不振が中心だったのか公表された本人のコメントと一軍成績から読み取れるのは、実績を積み上げられなかったことが大きな要因だったという点です。
2021年に結果を残した後、複数年にわたって一軍での定位置を確保できず、2025年も防御率7点台に終わりました。
一方、球団が戦力外通告の個別の判断理由を詳しく公表したわけではありません。したがって、特定の事情だけを公式な解雇理由として断定することはできません。
本人は戦力外通告を受けた際、野球を続けるか迷っているとしながらも、NPB復帰や韓国でのプレーを選択肢に挙げていました。
この時点で、金久保の野球人生は終わっていなかったのです。
【経歴・年表】東海大市原望洋高校からキウム移籍まで
金久保優斗は1999年11月4日生まれ、千葉県出身の右投左打の投手です。
高校は東海大市原望洋高校。2017年のドラフト会議で東京ヤクルトスワローズから5位指名を受け、プロ入りしました。
東海大学付属市原望洋高校の公式発表でも、2017年10月26日のドラフト会議で金久保がヤクルトから指名されたことが確認できます。
金久保優斗のキャリアと主な転換点2017年11月、ヤクルトとの仮契約が成立しました。
当時の契約条件は契約金2700万円、推定年俸500万円。背番号は48でした。
日刊スポーツの報道では、当時の金久保は最速147キロの直球を持つ右腕として紹介され、スカウトからは将来の先発ローテーション候補として期待されていました。
プロ入り後の通算成績NPB公式記録による2025年シーズン終了時点の一軍通算成績は以下のとおりです。
- 登板:34試合
- 勝利:5
- 敗北:4
- セーブ:0
- ホールド:1
- 投球回:87回2/3
- 奪三振:69
- 防御率:4.31
先発として期待された時期から、韓国でリリーフ・クローザーを担う現在まで、役割が大きく変化したことも金久保のキャリアの特徴です。
【韓国移籍の経緯】なぜキウム・ヒーローズを選んだのか
ヤクルトから戦力外通告を受けた直後、金久保は現役続行を迷っていました。
しかし、最終的には韓国で新たな挑戦をする道を選びます。
2025年12月16日、キウム・ヒーローズが金久保との契約を発表しました。
韓国移籍を決断した背景Full-Countの取材で金久保は、韓国球団とはフェニックス・リーグなどで対戦する機会があり、自主トレーニングでも韓国に行った経験があったと説明しています。
また、複数の球団から声がかかる中で、最も早く連絡をくれたのがキウムだったと明かしています。
つまり、韓国は突然浮上した選択肢ではありません。以前から接点があり、現役を続けるための具体的な受け入れ先としてキウムが浮上したのです。
KBOのアジアクォーター制度も追い風にもう一つ重要なのが、2026年から導入されたKBOのアジアクォーター制度です。
この制度では、各球団がアジア出身選手やオーストラリア出身選手を1人獲得できます。
契約に使用できる費用には上限が設けられ、年俸、契約金、出来高などを含めて総額20万ドル以内となっています。
2026年のKBOでは10球団すべてがアジア枠を活用し、そのうち7人が日本人投手でした。金久保はこの新制度を利用して韓国へ移籍した選手の一人です。
年俸と契約条件は?報道によると、金久保のキウムとの契約は年俸10万ドル、出来高3万ドルで、総額13万ドルとされています。
背番号はヤクルト時代と同じ48です。
KBO公式選手記録にも年俸10万ドルと登録されています。
この移籍は単に所属先を変えたというだけではありません。
日本では一軍で定位置をつかめなかった投手が、韓国では勝ち試合の終盤を任される可能性を得ました。環境を変えたことで、投手としての新しい役割を開拓した事例といえます。
【最速155キロの直球】金久保優斗の守護神評価と投球の強み
金久保が韓国で評価を高めた最大の理由は、ストレートの威力です。
2026年6月23日公開のスポーツナビの記事では、金久保の最速155キロのストレートに注目。平均球速は148キロで、全投球に占める直球の割合は約74%と紹介されました。
速球主体であることが分かっていても、打者が簡単には打ち返せない球威が特徴です。
155キロのストレートが持つ武器金久保の投球を分析する際に注目したいのは、単なる球速だけではありません。
- 最速155キロのストレート
- 平均148キロの直球
- ストレート主体の配球
- 空振りやファウルを奪える球威
- 接戦の終盤で力を発揮する投球
スポーツナビの記事では、ストレートの回転や力強さについて、韓国の中継解説者からも評価されていると紹介されています。
守護神として評価された2026年金久保は2026年4月下旬から終盤の重要な場面で登板するようになりました。
6月14日のハンファ・イーグルス戦では、1点リードの9回に登板。無死一、三塁のピンチを迎えながら、直球とフォークを使って後続を打ち取り、試合を締めました。
スポーツナビの取材記事は、こうした場面での修正力と直球の威力を評価しています。
この試合は、単に球速が速いだけでは守護神を務められないことも示しています。
走者を背負った場面で、どの球種を使い、どのように打者を打ち取るか。クローザーには技術と精神面の両方が大切です。
課題は変化球と投球の安定性一方、金久保自身も変化球の精度を課題として認識しています。
スポーツナビの取材では、NPB復帰を目指すうえで変化球や配球をさらに磨く必要があると話していました。
2026年の最終成績を見ると、59試合に登板して防御率5.19、WHIP1.63。セーブ数は14に達したものの、被安打64、被本塁打6という数字が残っています。
つまり、ストレートの威力は十分な武器ですが、それだけで長いシーズンを安定して乗り切るのは難しいということです。
守護神としての評価は、セーブ数だけでなく、防御率・WHIP・セーブ失敗数を合わせて判断する必要があります。
【年俸推移】ヤクルト時代から韓国キウムでの契約まで
金久保の年俸は、ヤクルト入団時の500万円から2022年の1200万円まで上昇しました。
しかし、その後は一軍での登板機会が伸びず、年俸も減少しています。
週刊ベースボールONLINEなどに掲載された推定年俸は以下のとおりです。
| 年度 | 所属 | 推定年俸 |
|---|---|---|
| 2018年 | ヤクルト | 500万円 |
| 2019年 | ヤクルト | 500万円 |
| 2020年 | ヤクルト | 500万円 |
| 2021年 | ヤクルト | 580万円 |
| 2022年 | ヤクルト | 1200万円 |
| 2023年 | ヤクルト | 1000万円 |
| 2024年 | ヤクルト | 900万円 |
| 2025年 | ヤクルト | 900万円 |
| 2026年 | キウム | 10万ドル(出来高別途) |
NPB時代の金額は報道ベースの推定値です。2026年の韓国での契約は米ドル建てで、年俸10万ドルに出来高3万ドルが設定されたと報じられています。
2022年の1200万円がヤクルト時代の最高額で、その後は900万円まで下がりました。
それでも2026年に韓国で新たな契約を獲得し、59試合に登板したことは、現役続行という意味で大きな成果です。
【プロの結論】金久保優斗は韓国で再起できたのか?
金久保の2026年は、単純な成功とも失敗とも評価できないシーズンでした。
ヤクルトでは一軍通算34試合、防御率4.31。2021年には防御率2.74を記録したものの、その後は登板機会が減少し、2025年に戦力外通告を受けました。
しかし、韓国では59試合に登板し、14セーブと12ホールドを記録しています。
この変化から読み取れるのは、環境や起用法が変われば、投手として発揮できる能力も変わるということです。
今後の評価を左右する3つのポイント1. ストレートの威力を維持できるか
最速155キロの直球は大きな武器です。球速だけでなく、空振りを奪える球質を継続できるかが重要です。
2. 変化球と制球力を改善できるか
直球主体の投球には限界があります。フォークなどの変化球を効果的に使い、被安打や長打を減らせるかが注目点です。
3. 接戦での安定感を高められるか
14セーブは評価できる一方、5度のセーブ失敗と防御率5.19は改善が必要な数字です。シーズンを通じて安定して試合を締められるかが、次の評価につながります。
金久保には、まだ成長の余地があります。
2026年はNPBでのキャリアをやり直すための第一歩であり、韓国で新しい役割を得たシーズンでした。今後、日本球界への復帰を目指すのであれば、セーブ数だけでなく投球内容そのものの向上が大切です。
【よくある質問】金久保優斗の現在に関するFAQ
Q1:金久保優斗は現在どこの球団に所属していますか?
A1:2026年シーズンから韓国プロ野球KBOのキウム・ヒーローズに所属しています。背番号はヤクルト時代と同じ48です。
Q2:金久保優斗の2026年のセーブ数はいくつですか?
A2:2026年レギュラーシーズンは14セーブです。59試合に登板し、12ホールドも記録しました。
Q3:金久保優斗がヤクルトを戦力外になった理由は何ですか?
A3:2025年は12試合で0勝1敗、防御率7.71と苦しみました。本人も成績が残せなかったことを認めています。球団は個別の判断理由を詳しく公表していません。
Q4:金久保優斗の最速球速は何キロですか?
A4:2026年のスポーツナビの取材記事では最速155キロと紹介されています。平均球速は148キロです。
Q5:金久保優斗は2021年にどのような成績を残しましたか?
A5:ヤクルトで10試合に登板し、4勝1敗、防御率2.74を記録しました。先発8試合で42回2/3を投げたシーズンです。
金久保優斗は、ヤクルトでの戦力外通告を経て、2026年から韓国のキウム・ヒーローズで新たな野球人生を歩み始めました。
2021年の防御率2.74という実績、2025年の防御率7.71という苦境、そして2026年の14セーブ。これらの数字は、金久保が環境を変えながら再起を目指してきた過程を表しています。
最速155キロのストレートは大きな魅力です。ただし、2026年の防御率5.19という課題も残りました。今後は変化球の精度、制球力、終盤の安定感が重要になります。
ヤクルトで期待された若手先発候補から、韓国で守護神を経験するリリーフ投手へ。金久保優斗の次の注目点は、2026年に得た経験をどこまで成長につなげられるかです。
14セーブは再起の足掛かりです。その数字を一過性のものにせず、安定した投球で積み上げていけるか。2027年以降のキャリアを占ううえでも、引き続き注目したい投手です。
主な参照資料:日本野球機構(NPB)公式年度別成績、韓国プロ野球(KBO)公式選手記録、日刊スポーツ、Full-Count、スポーツナビ、聯合ニュース、週刊ベースボールONLINE。