日本中央競馬会競馬学校(JRA競馬学校)は、将来の中央競馬を支える騎手や厩舎スタッフを育成する専門教育施設です。千葉県白井市に設置され、騎乗技術だけでなく、馬の飼養管理、競馬に関する法律、アスリートとしての身体づくり、精神面のトレーニングなど、競馬の現場で必要となる幅広い知識と技能を身につけます。
2026年11月現在、注目されるのは2027年4月入学の騎手課程第46期生募集と、2026年度秋期の厩務員課程募集です。騎手課程は原則3年間、厩務員課程は原則6か月間と、目指す職業によって教育期間も応募条件も大きく異なります。入学金・授業料などの修学費用が無償である一方、食事代や受験料などの負担については確認が必要です。
【基本情報】日本中央競馬会競馬学校とは?騎手と厩務員を育てる専門施設の正体
日本中央競馬会競馬学校は、JRAが中央競馬の運営に必要な人材を育成するために設置している教育施設です。競馬ファンの間では「JRA競馬学校」という名称でも知られています。
所在地は千葉県白井市根835-1。馬場や厩舎などの設備を備え、実際の競馬社会で必要となる技術を実践的に学べる環境が整っています。
騎手課程と厩務員課程の2つがある競馬学校の教育課程は、大きく分けて次の2種類です。
騎手課程は、競走馬に騎乗してレースに出場する騎手を養成するコースです。馬術の基礎から競走姿勢、走路騎乗、模擬レース、身体能力の向上まで、約3年間かけて段階的に学びます。
厩務員課程は、競走馬の飼養管理や調教騎乗などを担当する厩舎スタッフを育成するコースです。馬の健康管理、馬房の清掃、飼い付け、競走馬術など、厩舎で働くための実務能力を短期間で集中的に習得します。
競馬学校は高校や一般的な専門学校ではないここで注意したいのが、競馬学校の制度上の位置づけです。
JRA公式Q&Aによると、競馬学校は学校教育法などに規定される高等学校や専修学校には該当せず、職能訓練校のような組織にあたります。
つまり、競馬学校を卒業しても高校卒業資格が取得できるわけではありません。騎手や厩舎スタッフという専門職に必要な技能を身につけることが教育の中心です。
この違いは、進路を考える中学生や高校生、保護者にとって非常に重要です。競馬学校への進学は、一般的な高校進学とは異なる職業選択であることを理解しておく必要があります。
【徹底比較】騎手課程と厩務員課程の違い・修業期間・卒業後の進路
2つの課程は、同じ競馬学校で学ぶものの、卒業後に目指す職業が違います。必要な能力や入学までに準備すべきことも異なるため、最初に両者の関係を整理しておきましょう。
| 比較項目 | 騎手課程 | 厩務員課程 |
|---|---|---|
| 主な目的 | 中央競馬の騎手を養成 | 厩務員・調教助手などの厩舎スタッフを養成 |
| 教育期間 | 原則約3年間 | 原則6か月間 |
| 学歴条件 | 中学校卒業以上または同等以上の学力 | 中学校卒業以上または同等以上の学力 |
| 年齢条件 | 入学年度の4月1日時点で15歳以上20歳未満 | 騎手課程のような年齢上限は設けられていない |
| 騎乗経験 | 必須ではない | 合計1年以上が必要 |
| 体重条件 | 年齢別の指定体重以下 | 騎手課程のような60kg以下の制限は撤廃済み |
| 主な学習内容 | 基本馬術、障害馬術、走路訓練、競馬法規、フィジカル・メンタルトレーニング | 基本馬術、競走馬術、馬学、飼養管理、競馬法規 |
| 卒業後の関門 | JRA騎手免許試験 | 日本調教師会の採用試験 |
| 主な進路 | 中央競馬の騎手 | 美浦・栗東の厩舎スタッフ |
この比較から分かるのは、騎手課程が将来の競走騎乗を担うアスリートの育成を目的としているのに対し、厩務員課程は競走馬を管理し、調教や日常の世話を支える専門職の育成を目的としていることです。
騎手課程は3年間で実践力を身につける騎手課程では、最初に基礎課程を学び、その後に実践課程へ進みます。
JRAの説明によると、基礎課程は約17.5か月です。馬術の基本や騎乗技術を身につけた後、実践課程の前期ではトレーニング・センターの厩舎に配属され、調教師の指導のもとで調教騎乗などを経験します。
後期は競馬学校に戻り、約5.5か月をかけて模擬レースなどを通じた実践的な訓練を行います。
単に馬に乗れるようになることが目標ではありません。実際の競走で必要な判断力、騎乗姿勢、馬への指示、レース展開への対応力を段階的に磨いていきます。
厩務員課程は6か月の短期集中型厩務員課程は原則6か月で、前期と後期に分かれています。
- 前期3か月:基本馬術、飼養管理実践、馬学、馬術、競馬法規など。
- 後期3か月:競走馬術、調教技術、飼養管理実践、専門学科、卒業試験など。
騎乗技術が特に優秀と校長が認めた場合には、前期課程を免除する3か月短縮制度もあります。ただし、学科の補習は必要です。
短期間だからといって内容が簡単というわけではありません。入学時点で一定の騎乗経験が求められるため、基礎的な馬術能力を持つ人を対象に、実務へ直結する技術を集中的に習得する仕組みです。
(参照:JRA「騎手になるには」「入学から卒業まで」)
【2027年入学最新】騎手課程の入学資格・年齢制限・体重・視力・試験内容
騎手を目指す人が最初に確認すべきなのが、応募資格です。騎手課程では年齢だけでなく、体重、視力、健康状態などについて細かな条件が設けられています。
2027年4月入学の応募資格2027年4月に入学する騎手課程第46期生の募集人員は10名程度です。
2027年度募集要項で示された主な条件は以下のとおりです。
- 学歴:競馬学校入学時に中学校卒業以上、または同等以上の学力があると認められること。
- 年齢:2027年4月1日時点で15歳以上20歳未満。
- 体重:生年月日によって定められた指定体重以下。
- 視力:両眼で0.8以上、かつ左右それぞれ0.5以上。矯正可。
- 健康状態:騎手として業務を行ううえで支障がないこと。
視力については、矯正器具を使用する場合、ソフトコンタクトレンズのみ使用可能とされています。
年齢によって異なる体重制限騎手課程で特に注意したいのが体重制限です。2027年4月入学の募集要項では、次のように出生期間別の上限が定められています。
- 2009年3月31日以前に出生した人:49.0kg
- 2009年4月1日~2010年3月31日に出生した人:48.0kg
- 2010年4月1日~2011年3月31日に出生した人:47.0kg
- 2011年4月1日以降に出生した人:46.0kg
重要なのは、体重制限が入学試験だけの条件ではないことです。
入学後も生年月日に応じた指定体重を維持する必要があり、騎手課程の生徒は毎朝、寮で体重を計測します。卒業時の指定体重は全員一律49.0kgです。
一方、身長については明確な制限が設けられていません。ただし、騎手として必要な筋力をつけながら体重を維持することを考えると、身長が高い場合は体重管理が難しくなる可能性があります。
乗馬未経験でも受験できる意外に知られていないのが、騎手課程は乗馬経験が必須ではないという点です。
JRAは、乗馬未経験者も受験できることを公式に案内しています。実際に、松岡正海騎手、原優介騎手、上里直汰騎手など、乗馬未経験で入学した騎手の例も紹介されています。
ただし、未経験者だからといって騎乗試験が免除されるわけではありません。第2次試験では実際に馬に乗り、教官が騎乗適性を判断します。
入学試験の流れと合格率騎手課程の入学試験は、第1次試験と第2次試験に分かれています。
第1次試験では身体検査、運動機能検査、学科試験、本人面接などが行われます。学科は国語・社会の中学校レベルが中心です。
運動機能検査では、片足つま先立ち、懸垂、しゃがみこみ、サイドステップ、立ち幅跳びの5項目が実施されます。
第2次試験は、第1次試験の通過者を対象とした合宿形式です。3泊4日程度の期間で、騎乗適性検査や面接などが行われます。
JRA公式Q&Aによると、合格率の目安は次のとおりです。
- 第1次試験:約20%前後
- 最終合格率:約5~10%
これは例年の目安であり、2027年度入学試験の確定した実績値ではありません。募集人員が10名程度であることも踏まえると、十分な準備が求められる狭き門です。
2027年4月入学の募集スケジュール第46期生の願書受付期間は、2026年6月8日から7月21日13時まででした。第1次試験は8月12日、第2次試験は10月1日から4日までの予定で実施される募集日程でした。
2026年11月3日現在、2027年4月入学分の募集受付は終了しています。
なお、スポーツ分野で特に良好な実績を持つ人を対象に、第1次試験の運動機能検査を免除する「スポーツ特別入試制度」も設けられていました。
次年度以降の受験を考えている人は、募集開始時期だけでなく、体重・視力の条件や必要書類の準備を早めに進めておくことが大切です。
(参照:JRA「2027年4月入学騎手課程生徒募集要項」「競馬学校Q&A」)
【2026年度秋期】厩務員課程の応募資格・騎乗経験・入学試験を解説
厩務員課程は、騎手課程とは応募条件が大きく異なります。最も重要なのは、馬に乗った経験が一定期間以上あり、基本的な歩法を単独でこなせることです。
厩務員課程の応募資格2026年度秋期の募集要項で示された主な応募条件は次のとおりです。
- 学歴:競馬学校入学時に中学校卒業以上、または同等以上の学力があると認められること。
- 健康状態:厩舎従業員として働くうえで支障がないこと。
- 騎乗経験:競走馬・育成馬・乗馬の騎乗経験を合計して1年以上有すること。
- 騎乗技術:常歩・速歩・駈歩の3種類を単独騎乗で行えること。
- 受験回数:欠席・辞退を含めて上限5回。
競走馬や育成馬の牧場で働いた経験があることは望ましいとされていますが、必須ではありません。
乗馬クラブや高校馬術部の経験も対象になるJRAが紹介しているモデルケースでは、高校馬術部で3年間乗馬を経験した後、牧場で1年間働いて受験するケースや、乗馬クラブでの経験を積み重ねて応募するケースなどがあります。
また、育成牧場で育成馬に騎乗した経験を積み、その後に競馬学校を受験する進路も紹介されています。
ここで押さえたいのは、厩務員課程では乗馬経験の場所よりも、実際に求められる騎乗能力を満たしているかが重要だということです。
騎手課程とは異なり、乗馬未経験から直接応募することはできません。まずは乗馬クラブ、馬術部、育成牧場などで経験を積み、単独騎乗による3種の歩法を習得する必要があります。
2026年度秋期募集の実施状況JRAは2026年2月9日、2026年度秋期の厩務員課程生徒募集を発表しました。
募集人員は、10月生・1月生それぞれ15名程度。訓練期間は原則6か月で、騎乗技術が特に優秀と認められた場合には短縮される可能性があります。
募集時の主な日程は以下のとおりです。
- 願書受付:2026年3月16日~4月14日13時
- 入学試験:2026年5月13日・14日
- 対象:2026年度10月生・2027年1月生
試験では、書類審査、身体検査、健康診断、運動機能検査、騎乗適性検査、本人面接、一般教養・競馬一般の学科試験、性格適性検査などが行われます。
2026年11月現在、この秋期募集は終了しています。10月生は2026年9月中旬頃から2027年3月中旬頃まで、1月生は2026年12月中旬頃から2027年6月中旬頃までの訓練期間が予定されています。
次の募集となる2027年度春期にも注目2027年度春期の厩務員課程では、2027年4月生・7月生をそれぞれ15名程度募集しています。
こちらは2026年9月7日から10月13日まで願書を受け付けており、試験は2026年11月17日・18日に予定されています。11月3日時点では願書受付が終了し、試験実施を控えた段階です。
受験料は1,900円で、振込手数料も受験者負担です。募集時期や受験回数の取り扱いは年度によって異なるため、過去の募集案内だけで判断せず、該当年度の最新要項を確認してください。
(参照:JRA「2026年度秋期厩務員課程生徒募集」「厩務員課程生徒募集要項」)
【費用・寮生活】学費や寮費、食事代はいくら?高校との違いも検証
進学や転職を考える人にとって、教育期間と同じくらい気になるのが費用です。競馬学校は一般的な私立専門学校とは費用体系が異なり、入学金や授業料などの修学費用は無償とされています。
入学金・授業料は無償、食事代などは別途必要JRA公式Q&Aでは、騎手課程・厩務員課程ともに、入学金や授業料などの修学費用はかからないと案内されています。
ただし、すべての生活費が無料になるわけではありません。寮での食事代や、厩務員課程の受験料などは別途必要です。
騎手課程については、2026年度の募集案内で、3年間の食事代は約120万円とされています。教育期間が延長された場合は、延長期間分の食事代も別途必要になります。
厩務員課程については、2026年度秋期の募集案内で、6か月間の食事代の上限が72,000円とされています。一般社団法人日本調教師会から給付金を受けられる場合があり、騎乗装具についても同会から支給される仕組みです。
費用を比較するときは、授業料の有無だけでなく、食事代、寮生活に伴う費用、受験料、個人で用意する物品などを分けて考えることが重要です。
騎手課程の寮生活は規律ある早朝型騎手課程は全寮制です。寮生活は、単に通学時間を短縮するための仕組みではありません。体重管理、健康管理、馬の世話、訓練を毎日継続するための教育環境として機能しています。
JRAが公開している通常の日課は次のような流れです。
- 5時:起床・体重測定。
- 5時30分:担当馬の厩舎作業、馬房清掃、健康チェック、飼い付け。
- 7時:朝食。
- 7時30分:騎乗などの実技訓練。
- 12時:昼食。
- 13時15分:専門学科や一般教科。
- 15時15分:厩舎作業。
- 17時:夕食・自由時間・自習。
- 20時:担当馬の健康チェック。
- 22時:消灯。
なお、夏季は通常より早い4時起床、21時消灯の日課となります。
生徒は原則として1人2頭の馬を担当し、日々の世話を行います。寮には管理栄養士が常勤し、栄養バランスと体重管理を考えた食事が提供されています。
また、騎手課程は原則として外泊できません。日曜日などの休校日には、一定時間の外出が認められています。
競馬学校と高校の違いは卒業資格と教育目的競馬学校と高校の違いを整理すると、次の3点が重要です。
1つ目は卒業資格です。競馬学校は高等学校ではないため、卒業しても高校卒業資格は得られません。
2つ目は教育目的です。高校は幅広い教養や基礎学力を育てることが中心ですが、競馬学校は騎手や厩舎スタッフとして働くための専門技術の習得が中心です。
3つ目は生活環境です。騎手課程は全寮制で、朝の体重測定や馬の世話、実技訓練など、職業に直結した日課が組まれています。
一方、JRA公式Q&Aでは、高校生の騎手課程受験者も多数おり、合格実績があると説明されています。受験者の多くは中学3年生ですが、高校に進学してから挑戦する道もあります。
高校卒業資格を確実に取得しておきたい場合は、競馬学校の卒業だけで学歴要件を満たせると考えず、受験・入学後の学習環境や将来の進路についても家族と相談する必要があります。
(参照:JRA「競馬学校Q&A」「競馬学校での生活」「2026年度騎手課程募集案内」「2026年度秋期厩務員課程募集案内」)
【卒業後の進路】騎手免許試験と日本調教師会の採用試験が必要
競馬学校への入学は、プロとしてのキャリアの始まりにすぎません。卒業すれば自動的に騎手や厩務員として採用されるわけではなく、それぞれの職業に応じた次の関門があります。
騎手課程卒業後はJRA騎手免許試験騎手課程を修了した後、中央競馬の騎手としてデビューするには、JRAが実施する騎手免許試験に合格しなければなりません。
免許試験では、学力に関する筆記試験・口頭試験、騎乗技術試験、人物考査などが行われます。
つまり、競馬学校の卒業と騎手免許の取得は別の段階です。教育期間中に十分な技術を身につけ、プロとして必要な水準に達することが大切です。
JRAの公式Q&Aでも、卒業だけでは騎手になれず、騎手免許試験に合格する必要があると説明されています。
厩務員課程卒業後は日本調教師会の採用試験厩務員課程を卒業した人は、一般社団法人日本調教師会が実施する採用試験を受験します。
採用試験に合格すると、美浦トレーニング・センターまたは栗東トレーニング・センターの厩舎に配属され、厩務員としての仕事を始めます。
厩務員は、競走馬の健康状態を確認し、食事や手入れ、馬房の清掃などを行う職種です。調教助手など、厩舎運営を支える仕事への道もあります。
競走馬は日々の健康管理や調教環境によってコンディションが変わります。そのため、厩務員には馬の変化を見逃さない観察力と、毎日安定して世話を続ける責任感が大切です。
卒業後の進路を考えるときの注意点騎手課程も厩務員課程も、学校で学ぶことと卒業後の就職・免許取得は区別して考える必要があります。
騎手課程では免許試験、厩務員課程では採用試験が次の関門です。入学前から卒業後の試験までを一つの進路として考えておくと、学習中に身につけるべき能力も明確になります。
また、競馬学校で学ぶ技術は、馬の安全と競馬の公正な運営に直結します。騎乗技術だけでなく、規則を守る姿勢や周囲と連携する能力も欠かせません。
(参照:JRA「騎手になるには」「厩務員になるには」「競馬学校Q&A」)
【説明会・施設見学】競馬学校を受験前に確認する方法と準備のポイント
競馬学校への進学を検討しているなら、募集要項を読むだけでなく、学校説明会や施設内見学会を活用することも有効です。
学校説明会は騎手課程の受験希望者と保護者が対象JRAは騎手課程の受験希望者や保護者を対象に、学校説明会を開催しています。
説明会では、JRAの概要、騎手という職業、競馬学校の教育カリキュラム、騎手課程の入学試験などについて説明があります。騎手課程生徒のインタビュー動画が紹介されることもあります。
2026年は札幌競馬場、東京競馬場、阪神競馬場、小倉競馬場などの会場に加え、競馬学校やオンラインでも開催されました。
2026年実施分の申し込みは5月18日に終了しています。次回の説明会については、次年度の公式案内を待つ必要があります。
施設内見学会では馬場や厩舎を見られる施設内見学会は、騎手課程の受験希望者だけでなく一般の人も対象とした見学機会です。
馬場や厩舎などの施設を案内してもらえるため、実際の教育環境や馬を扱う現場の雰囲気を知ることができます。見学時間は約90分が予定されています。
2026年度は3月21日、4月25日、7月11日、8月13日、8月27日、9月19日の計6回が案内されました。各回とも事前申し込みが必要で、1組4名まで、各回20名程度が当選する形式です。
2026年度の施設内見学会はすべて終了しています。今後の見学を希望する場合は、次年度の日程発表を確認しましょう。
受験前に確認したい5つのポイント受験準備を進める際は、次の項目を一つずつ確認しておくことをおすすめします。
- 応募資格:年齢、学歴、体重、視力、健康状態が募集要項を満たしているか。
- 騎乗経験:厩務員課程を希望する場合、合計1年以上の経験と3種の歩法を習得しているか。
- 学科対策:国語・社会などの一般教養や競馬一般の学習を進めているか。
- 生活への適応:早朝からの訓練、馬の世話、規律ある寮生活を継続できるか。
- 卒業後の進路:騎手免許試験や日本調教師会の採用試験まで見据えているか。
なお、JRAでは過去5年間の入学試験問題を販売しています。年度や課程によって価格が異なるため、購入を希望する場合は公式の案内を確認するとよいでしょう。
どんな人が競馬学校に向いているのか騎手課程に向いているのは、身体能力だけでなく、自己管理能力や集中力を持ち、厳しい訓練を継続できる人です。体重管理や寮生活を長期間続ける必要があるため、夢や憧れだけでは乗り越えにくい部分もあります。
一方、厩務員課程に向いているのは、馬の世話を日常的に続けられる人、観察力があり、馬の健康状態の変化に気づける人、実際の騎乗経験を持つ人です。
反対に、規則的な生活が苦手な人、動物の世話を継続することに抵抗がある人、卒業後の免許・採用試験を考えていない人は、受験前に職業への適性を改めて考える必要があります。
競馬学校は、華やかなレースの舞台だけでなく、その裏側にある厳しい仕事を担う人材を育てる場所です。実際の生活や仕事内容を理解してから進路を決めることが、入学後のミスマッチを防ぐことにつながります。
(参照:JRA「学校説明会のご案内」「施設内見学会」「騎手課程・厩務員課程入学試験の過去問題販売について」)
【よくある質問】日本中央競馬会競馬学校に関するFAQ
Q1:日本中央競馬会競馬学校に入学するには何歳から何歳までですか?
A1:2027年4月入学の騎手課程では、2027年4月1日時点で15歳以上20歳未満が条件です。厩務員課程には騎手課程のような年齢上限は設けられていません。ただし、各課程の最新募集要項を確認する必要があります。
Q2:騎手課程は乗馬未経験でも合格できますか?
A2:可能です。JRAは乗馬未経験者も歓迎しており、未経験で入学した騎手の例も紹介しています。ただし、第2次試験には実際に馬に乗る騎乗適性検査があります。
Q3:騎手課程の体重制限は何kgですか?
A3:2027年4月入学の募集では、出生期間によって46~49kg以下と定められています。年齢区分によって異なり、入学後も指定体重を守る必要があります。
Q4:厩務員課程に入るためには乗馬経験が必要ですか?
A4:必要です。競走馬・育成馬・乗馬の騎乗経験を合計1年以上持ち、常歩・速歩・駈歩の3種類を単独で行えることが応募条件です。
Q5:競馬学校の学費や寮費は無料ですか?
A5:入学金・授業料などの修学費用は無償です。ただし、寮での食事代などは別途必要です。騎手課程では3年間の食事代が約120万円、2026年度秋期の厩務員課程では6か月の食事代上限が72,000円と案内されています。
Q6:競馬学校を卒業すると高校卒業資格を取得できますか?
A6:取得できません。競馬学校は高等学校や専修学校ではなく、職能訓練校のような組織です。高校卒業資格が必要な人は、別途学歴について考える必要があります。
Q7:競馬学校を卒業すれば必ず騎手や厩務員になれますか?
A7:必ずなれるわけではありません。騎手課程はJRAの騎手免許試験、厩務員課程は日本調教師会の採用試験などを通過する必要があります。
日本中央競馬会競馬学校は、中央競馬の現場で活躍する騎手や厩舎スタッフを育てる専門教育施設です。2026年の最新募集情報を整理すると、騎手課程と厩務員課程では、応募資格・教育期間・卒業後の進路が大きく異なります。
騎手課程は原則3年間で、年齢、体重、視力などの厳しい条件を満たす必要があります。乗馬未経験でも受験できますが、最終合格率は例年5~10%程度と難関です。
一方、厩務員課程は原則6か月間の短期集中型で、1年以上の騎乗経験と基本的な騎乗技術が大切です。競走馬の世話や調教を支える仕事に関心がある人に適した進路です。
【プロの結論】
競馬学校への進学を考える際に最も大切なのは、騎手になりたいのか、馬の管理や調教を支える厩舎スタッフになりたいのかを明確にすることです。
騎手課程は体重管理や身体能力、精神力を長期間にわたって維持する必要があります。厩務員課程は入学前から騎乗経験を積み、馬の健康や管理に関する実務能力を磨くことが欠かせません。
また、どちらの課程も卒業後に免許取得や採用試験という関門が待っています。入学をゴールとせず、卒業後にどのような仕事をしたいのかまで考えておくことが、後悔しない進路選択につながります。
2027年度以降の受験を検討している人は、JRAが公表する最新の募集要項、学校説明会、施設内見学会の日程を定期的に確認し、応募資格と準備期間を早めに把握しておきましょう。
競馬学校は、レースで脚光を浴びる騎手だけでなく、その舞台を支える厩舎スタッフを育てる場所でもあります。馬と真剣に向き合い、競馬の世界で長く働きたい人にとって、将来への重要な第一歩となる教育施設です。