箱根駅伝の記録は、2026年1月2日・3日に開催された第102回大会で大きく塗り替えられた。青山学院大学が総合10時間37分34秒という大会新記録で3年連続9回目の総合優勝を達成。往路5時間18分08秒、復路5時間19分26秒も、それぞれ歴代最高となる新記録だった。
箱根駅伝の歴代記録を調べる際には、総合タイムだけでなく、往路・復路のチーム記録、1区から10区までの個人区間記録を分けて見る必要がある。加えて、コース変更によって過去のタイムを単純比較できないケースもある。ここでは第102回大会までの記録を基準に、歴代上位10傑、各区間の最高記録、2026年最新の大会成績、記録の見方を整理する。
第102回箱根駅伝は、青山学院大学が往路・復路・総合のすべてで優勝する完全優勝を達成した大会となった。
2026年1月2日の往路では、青山学院大学が5時間18分08秒で首位に立ち、翌3日の復路でも5時間19分26秒を記録。総合タイムは10時間37分34秒となり、従来の大会記録を更新した。
第102回大会・総合順位ランキング東京箱根間往復大学駅伝競走の公式記録による、第102回大会の上位10校は次のとおり。
- 青山学院大学:10時間37分34秒
- 國學院大學:10時間40分07秒
- 順天堂大学:10時間43分55秒
- 早稲田大学:10時間44分29秒
- 中央大学:10時間44分31秒
- 駒澤大学:10時間44分50秒
- 城西大学:10時間46分17秒
- 創価大学:10時間51分40秒
- 帝京大学:10時間53分15秒
- 日本大学:10時間53分56秒
注目すべきは、優勝した青山学院大学だけではない。2位の國學院大學も10時間40分07秒という大会新記録を樹立し、箱根駅伝史上歴代2位に相当する好タイムを記録した。
3位の順天堂大学も10時間43分55秒でフィニッシュ。4位の早稲田大学は往路2位の5時間18分26秒、5位の中央大学は往路3位の5時間19分44秒と、往路で好成績を残した大学が上位に並んだ。
2026年の青山学院大学が達成した3つの大会新記録第102回大会の青山学院大学は、単なる総合優勝にとどまらない成果を残した。
- 総合記録:10時間37分34秒
- 往路記録:5時間18分08秒
- 復路記録:5時間19分26秒
総距離217.1kmを走り切るなかで、往路107.5km、復路109.6kmの両方で歴代最高記録を更新した点が特徴だ。
日本テレビの第102回大会特設情報でも、青山学院大学の3年連続9回目の総合優勝と、大会新・往路新・復路新の達成が紹介されている。
【歴代上位10傑】箱根駅伝の総合タイムランキング一覧

箱根駅伝の歴代総合記録を比較するうえで、特に重要なのが現行コースを対象にしたランキングだ。
第93回大会以降の現行コースを基準にすると、2026年までの総合タイム上位10傑は以下のようになる。
現行コースの総合タイム歴代10傑- 10時間37分34秒:青山学院大学・第102回(2026年)総合優勝
- 10時間40分07秒:國學院大學・第102回(2026年)総合2位
- 10時間41分19秒:青山学院大学・第101回(2025年)総合優勝
- 10時間41分25秒:青山学院大学・第100回(2024年)総合優勝
- 10時間43分42秒:青山学院大学・第98回(2022年)総合優勝
- 10時間43分55秒:順天堂大学・第102回(2026年)総合3位
- 10時間44分07秒:駒澤大学・第101回(2025年)総合2位
- 10時間44分29秒:早稲田大学・第102回(2026年)総合4位
- 10時間44分31秒:中央大学・第102回(2026年)総合5位
- 10時間44分50秒:駒澤大学・第102回(2026年)総合6位
このランキングから読み取れるのは、2026年大会のレベルの高さだ。上位10記録のうち、実に6記録が第102回大会で生まれている。
また、青山学院大学は上位10傑に4つの記録を残している。第98回、第100回、第101回、第102回と、異なる大会で好タイムを積み重ねてきたことが分かる。
特に第102回大会の優勝タイム10時間37分34秒は、初めて10時間40分の壁を突破した記録でもある。従来の記録を更新しただけでなく、箱根駅伝の高速化を象徴する節目となった。
歴代総合記録を見るときの注意点ここで注意したいのが、ランキングの対象範囲である。
上記は第93回大会以降の現行コースにおける総合タイムの上位10傑であり、1920年の第1回大会からすべての大会を同じ条件で比較したランキングではない。
箱根駅伝は開催時期によって区間距離やコースが変更されてきた。現在の217.1kmという総距離を前提にした記録と、旧コース時代の記録を同列に並べると、競技条件の違いを見落としてしまう。
【往路・復路記録】箱根駅伝の歴代最速タイム10傑を比較
総合タイムだけでは、チームの強さを十分に把握できない。往路と復路を分けて比較すると、どの大学が前半に強く、どの大学が後半に安定した走りを見せたのかが見えてくる。
往路タイム歴代10傑第93回大会以降の現行コースを対象とした往路の歴代上位記録は次のとおり。
- 5時間18分08秒:青山学院大学・第102回(2026年)
- 5時間18分13秒:青山学院大学・第100回(2024年)
- 5時間18分26秒:早稲田大学・第102回(2026年)
- 5時間19分44秒:中央大学・第102回(2026年)
- 5時間20分01秒:青山学院大学・第101回(2025年)
- 5時間20分02秒:國學院大學・第102回(2026年)
- 5時間20分20秒:城西大学・第102回(2026年)
- 5時間20分51秒:駒澤大学・第100回(2024年)
- 5時間21分16秒:青山学院大学・第96回(2020年)
- 5時間21分30秒:城西大学・第100回(2024年)
2026年大会では、上位7記録のうち4つが生まれた。特に青山学院大学の5時間18分08秒は、従来の往路最高記録を更新する圧倒的な数字となった。
早稲田大学も5時間18分26秒で歴代3位に相当するタイムを記録している。往路だけを見れば、優勝校に迫る実力を示していた。
復路タイム歴代10傑復路は第91回大会以降の現行コースを対象としたランキングで比較する。
- 5時間19分26秒:青山学院大学・第102回(2026年)
- 5時間20分05秒:國學院大學・第102回(2026年)
- 5時間20分50秒:駒澤大学・第101回(2025年)
- 5時間21分18秒:青山学院大学・第101回(2025年)
- 5時間21分36秒:青山学院大学・第98回(2022年)
- 5時間21分50秒:駒澤大学・第102回(2026年)
- 5時間22分06秒:順天堂大学・第102回(2026年)
- 5時間22分50秒:帝京大学・第102回(2026年)
- 5時間23分12秒:青山学院大学・第100回(2024年)
- 5時間23分47秒:東海大学・第96回(2020年)
復路でも2026年大会の記録が目立つ。上位10傑のうち4記録が第102回大会で生まれ、青山学院大学と國學院大學が1位・2位を占めた。
興味深いのは、國學院大學の復路5時間20分05秒だ。往路は5時間20分02秒で歴代6位相当、復路は歴代2位相当という非常に安定した記録を残している。総合2位という結果にも、前後半を通じた安定感が表れている。
【各区間記録一覧】1区から10区までの歴代最高タイムと記録保持者
箱根駅伝の個人記録を調べるなら、区間記録の確認が欠かせない。各区間には距離や地形の違いがあり、求められる能力も異なる。
日本テレビの大会記録と東京箱根間往復大学駅伝競走の公式記録を基準に、第102回大会終了時点の各区間最速タイムを整理した。
箱根駅伝・区間最高記録一覧| 区間 | 距離 | 歴代最高タイム | 記録保持者 | 大学・大会 |
|---|---|---|---|---|
| 1区 | 21.3km | 1時間00分28秒 | 青木瑠郁 | 國學院大學・2026年 |
| 2区 | 23.1km | 1時間05分09秒 | ヴィクター・キムタイ | 城西大学・2026年 |
| 3区 | 21.4km | 59分25秒 | イェゴン・ヴィンセント | 東京国際大学・2020年 |
| 4区 | 20.9km | 1時間00分00秒 | イェゴン・ヴィンセント | 東京国際大学・2023年 |
| 5区 | 20.8km | 1時間07分16秒 | 黒田朝日 | 青山学院大学・2026年 |
| 6区 | 20.8km | 56分47秒 | 野村昭夢 | 青山学院大学・2025年 |
| 7区 | 21.3km | 1時間00分43秒 | 佐藤圭汰 | 駒澤大学・2025年 |
| 8区 | 21.4km | 1時間03分45秒 | 塩出翔太 | 青山学院大学・2026年 |
| 9区 | 23.1km | 1時間07分15秒 | 中村唯翔 | 青山学院大学・2022年 |
| 10区 | 23.0km | 1時間07分31秒 | 佐藤圭汰 | 駒澤大学・2026年 |
2026年大会では、1区・2区・5区・8区・10区の5区間で歴代最高記録が更新された。往路と復路の両方で区間記録が誕生しており、特定の区間だけでなく、複数の区間で記録水準が引き上げられたことが分かる。
注目すべき区間記録保持者1区・青木瑠郁(國學院大學)は、第102回大会で1時間00分28秒を記録。スタート直後から各校の主導権争いが展開される1区で、歴代最速のタイムを残した。
2区・ヴィクター・キムタイ(城西大学)は1時間05分09秒。23.1kmという長距離を走る2区は、各大学のエースが集まる重要区間だ。2026年のキムタイは、その2区で歴代最高記録を樹立した。
3区・4区のイェゴン・ヴィンセント(東京国際大学)も特筆すべき存在だ。3区では2020年に59分25秒、4区では2023年に1時間00分00秒を記録し、異なる大会で2区間の歴代最高記録を保持している。
5区・黒田朝日(青山学院大学)は2026年に1時間07分16秒をマーク。山上りという特殊な条件が課される5区で、従来の記録を更新した。
6区・野村昭夢(青山学院大学)の56分47秒は2025年の記録。箱根の山を下る6区は、スピードだけでなく、下り坂への対応や身体のコントロールも問われる区間である。
加えて、10区・佐藤圭汰(駒澤大学)は2026年に1時間07分31秒を記録した。ゴール地点の大手町まで順位を争う最終区間で歴代最高タイムを残した点も注目に値する。
箱根駅伝の記録一覧は、数字を並べるだけでは正しく理解できない。特に歴代比較では、コース変更、距離、記録の種類という3つの要素を押さえる必要がある。
1. 総合記録・往路記録・復路記録は別の指標総合記録は、往路と復路の合計タイムである。往路だけが速くても、復路で順位を落とせば総合優勝には届かない。
第102回大会の早稲田大学は、往路5時間18分26秒で2位に入った。一方、復路は5時間26分03秒で8位。総合では10時間44分29秒の4位となった。
対照的に青山学院大学は、往路・復路の両方で1位を獲得。総合タイムでもトップに立った。前半の貯金だけに頼らず、10区間を通じて安定した成績を残すことが総合優勝につながる。
2. コース変更前後の記録は単純比較できない箱根駅伝は長い歴史のなかで区間距離が何度も変更されている。
特に4区・5区は第93回大会からコースが変更されており、それ以前の記録と現在の区間記録をそのまま比較することはできない。
公式の区間別歴代最速ランキングでも、距離変更後の大会を集計対象にしている。具体的には、1区は第55回、2区は第59回、3区は第55回、4区は第93回、5区・6区は第82回、7区は第59回、8区は第55回、9区は第59回、10区は第75回以降が対象となる。
そのため、区間記録を見る際は「何回大会からの記録なのか」を確認することが欠かせない。
3. 区間賞と区間最高記録は同じではない区間賞は、その大会の同一区間で最も速いタイムを記録した選手に与えられる。一方、区間最高記録は、対象となる過去の大会を含めて最も速いタイムを指す。
例えば、第102回大会で区間賞を獲得した選手が、必ずしも歴代最高記録保持者になるわけではない。過去にさらに速いタイムが記録されていれば、その選手が歴代記録保持者となる。
また、関東学生連合の選手が出したタイムなど、公式の歴代ランキングで参考記録として扱われるものもある。区間賞の順位と歴代ランキングの順位が一致しないケースにも注意したい。
4. 記録一覧の掲載範囲を確認する箱根駅伝の記録一覧は、すべての記録が同じ形式で掲載されているわけではない。
基本的には各項目の上位10傑を掲載し、項目によっては最大・最小記録のみを扱う構成となっている。タイムに関する主要項目は、各区間、往路、復路、総合に分けられる。
第102回大会(2026年)までの記録を対象とする場合も、総合10傑、往路10傑、復路10傑、区間別10傑では集計対象となるコースや距離が異なる。数字の順位だけでなく、対象範囲まで確認することが正確な比較につながる。
【プロの結論】箱根駅伝の記録から読み解く大学駅伝の実力と高速化
第102回大会までの記録を整理すると、箱根駅伝の高速化と大学ごとの競技力の変化がはっきり見えてくる。
青山学院大学の強さは総合力にある青山学院大学は、総合タイムの歴代10傑に4つの記録を残し、第102回大会では往路・復路・総合の3部門すべてで大会新記録を達成した。
加えて、区間記録でも5区の黒田朝日、8区の塩出翔太など、複数の選手が歴代最高タイムを保持している。
この結果から分かるのは、箱根駅伝の総合力が一人のエースだけでは成立しないということだ。各区間の専門性を理解し、適切な選手配置を行い、前半から後半まで安定した走りを実現することが必要になる。
2026年は國學院大學や順天堂大学も歴代記録に食い込んだ第102回大会のもう一つの特徴は、優勝校以外にも歴代上位に入る記録が相次いだ点だ。
國學院大學は総合10時間40分07秒で歴代2位、順天堂大学は10時間43分55秒で歴代6位に相当するタイムを記録した。
早稲田大学も10時間44分29秒で歴代8位、中央大学も10時間44分31秒で歴代9位。駒澤大学は第101回大会の10時間44分07秒に加え、第102回大会でも10時間44分50秒を記録し、複数の歴代上位記録を持つことになった。
つまり、2026年の記録更新は青山学院大学だけの現象ではない。複数の大学が10時間40分台前半に到達したことが、現在の箱根駅伝の競技水準を示している。
記録を評価するなら、見るべき基準は3つ- 総合力を知りたい人:往路・復路・総合タイムをセットで確認する。
- 個人の実力を知りたい人:区間記録と区間賞、過去の同一区間の記録を比較する。
- 歴史的な価値を知りたい人:コース変更の時期と記録の対象範囲を確認する。
反対に、区間距離やコースが異なる時代のタイムを、そのまま速い・遅いと評価するのは適切ではない。箱根駅伝の記録は、競技条件と一緒に読み解くことで初めて正しい意味を持つ。
箱根駅伝の歴代記録・区間記録に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年までの箱根駅伝の総合最高記録は何時間何分ですか?
A1:第102回大会(2026年)の青山学院大学が記録した10時間37分34秒です。往路5時間18分08秒、復路5時間19分26秒を合計した大会新記録です。
Q2:箱根駅伝で最も速い区間記録はどの区間ですか?
A2:区間ごとに距離や条件が違うため、単純に最速区間を決めることはできません。2026年までの歴代最高記録は、3区のイェゴン・ヴィンセントによる59分25秒、6区の野村昭夢による56分47秒などがあります。
Q3:箱根駅伝の2区の歴代最高記録保持者は誰ですか?
A3:城西大学のヴィクター・キムタイです。第102回大会(2026年)に1時間05分09秒を記録しました。
Q4:箱根駅伝の往路と復路の歴代最高記録は何ですか?
A4:往路は青山学院大学の5時間18分08秒、復路も青山学院大学の5時間19分26秒です。どちらも第102回大会(2026年)に樹立されました。
Q5:箱根駅伝の区間記録は昔の大会と比較できますか?
A5:区間距離やコースが変更されているため、すべての年代の記録を単純比較することはできません。公式の区間別歴代ランキングでは、各区間の距離変更後の大会を対象にしています。
Q6:箱根駅伝の歴代10傑はどこまでの大会が対象ですか?
A6:今回の整理は第102回大会(2026年)終了時点です。ただし、総合・往路・復路・各区間では、それぞれコースや距離の変更に応じた集計対象期間が設定されています。
箱根駅伝の歴代記録は、第102回大会(2026年)で大きな転換点を迎えた。青山学院大学が総合10時間37分34秒、往路5時間18分08秒、復路5時間19分26秒という3つの大会新記録を樹立し、歴史に残る完全優勝を果たした。
総合タイムの歴代10傑には青山学院大学だけでなく、國學院大學、順天堂大学、駒澤大学、早稲田大学、中央大学も名を連ねている。加えて、区間記録では青木瑠郁、ヴィクター・キムタイ、黒田朝日、塩出翔太、佐藤圭汰らが新たな基準を打ち立てた。
箱根駅伝の記録を正しく理解するためには、総合・往路・復路・区間という4つの視点を使い分け、コース変更や距離の違いも考慮することが大切だ。
2026年までの記録は、大学駅伝の競技水準がさらに高まっていることを示している。次回以降の大会では、青山学院大学の記録がどこまで更新されるのか、そして國學院大學や駒澤大学をはじめとする各大学がどのような記録で挑むのかが大きな見どころとなる。
記録確認資料:東京箱根間往復大学駅伝競走公式サイト、日本テレビ箱根駅伝番組公式サイト、國學院大學陸上競技部の大会結果、第102回大会までの歴代記録資料。