2023年10月26日に開催された「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」。この年は、12球団から支配下選手72人、育成選手50人、合計122人が指名され、プロ野球選手としての新たな一歩を踏み出した。1位指名では度会隆輝、武内夏暉、常廣羽也斗、西舘勇陽らに複数球団の指名が集中。抽選が相次ぎ、1位指名だけで計7回のくじ引きが行われた。
2026年11月現在、このドラフトから入団した選手たちはプロ3シーズンを終え、それぞれ異なる道を歩んでいる。武内夏暉は西武の先発投手として11勝を記録し、度会隆輝はDeNAで134試合に出場。ソフトバンクの前田悠伍も12勝1敗、防御率2.10という好成績を残した。一方、常廣羽也斗や西舘勇陽らは、さらなる飛躍を目指す段階にある。
【速報結果】2023年プロ野球ドラフト会議の開催日・指名人数・全体像

2023年のドラフト会議は、東京都内で10月26日に開催された。主催は一般社団法人日本野球機構(NPB)。正式名称は「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」である。
2019年以来4年ぶりに観客を入れて開催されたことも特徴だった。会場にはファンが来場し、各球団の監督や関係者が指名選手の交渉権をめぐって抽選に臨んだ。
2023年ドラフト会議の基本データNPBの2023年10月26日付公式発表によると、新人選手選択会議では72人、続いて実施された育成選手選択会議では50人の交渉権が確定した。
指名人数の内訳は次のとおりだ。
- 支配下指名:72人
- 育成指名:50人
- 合計:122人
- 育成ドラフト参加球団:11球団
支配下72人のポジション別内訳は、投手46人、捕手5人、内野手15人、外野手6人。投手が全体の過半数を占めた。
育成50人については、投手25人、捕手3人、内野手13人、外野手9人という構成だった。育成指名を実施しなかったのは東北楽天ゴールデンイーグルスである。
2023年ドラフトはなぜ投手中心だったのか当時の1位指名を振り返ると、12球団のうち8球団が大学生投手を1位で獲得した。武内夏暉、常廣羽也斗、西舘勇陽、下村海翔、草加勝、古謝樹、細野晴希、西舘昂汰らが、その代表的な顔ぶれだ。
各球団が即戦力投手を求めた背景には、先発ローテーションや救援陣の補強という明確なチーム事情があった。一方、野手ではENEOSの度会隆輝、上田西高校の横山聖哉、明治大学の上田希由翔らが1位指名を受けた。
単純に将来性の高い選手を集めるだけでなく、プロ入り直後からチームの戦力となる選手を確保しようとする球団の姿勢が表れたドラフトだった。
【1位指名・抽選結果】度会隆輝、武内夏暉らに競合!史上最多7回のくじ引き
2023年ドラフト会議で最も注目を集めたのが、1位指名をめぐる抽選だった。
最初の入札では、度会隆輝、武内夏暉、常廣羽也斗、西舘勇陽の4選手に指名が重複。さらに外れ1位、外れ外れ1位でも競合が続き、合計7回の抽選となった。
最初の1位指名で競合した4選手度会隆輝(ENEOS)
中日、横浜DeNA、千葉ロッテの3球団が指名。抽選の結果、DeNAの三浦大輔監督が交渉権を獲得した。度会は外野手として高い打撃能力を評価され、野手の目玉として注目されていた。
武内夏暉(國學院大學)
西武、ソフトバンク、ヤクルトの3球団が指名。西武の松井稼頭央監督が当たりくじを引き、交渉権を獲得した。最速153キロの左腕として評価され、大学生投手の中でも特に注目度の高い存在だった。
常廣羽也斗(青山学院大学)
広島と楽天が競合。広島の新井貴浩監督が抽選を制し、交渉権を獲得した。大学球界で実績を残した右腕で、先発投手としての将来性が期待された。
西舘勇陽(中央大学)
巨人と日本ハムが競合。巨人の阿部慎之助新監督が交渉権を引き当てた。大学球界で評価された右腕で、巨人の投手陣を支える存在として期待された。
外れ1位・外れ外れ1位の抽選結果最初の抽選で交渉権を逃した球団も、次の候補選手をめぐって再び競合した。
- 前田悠伍:ソフトバンク、楽天、日本ハムの3球団が競合。ソフトバンクが交渉権を獲得。
- 草加勝:中日とロッテの2球団が競合。中日が交渉権を獲得。
- 細野晴希:日本ハムとロッテの2球団が競合。日本ハムが交渉権を獲得。
こうして3球団競合が3回、2球団競合が4回となり、抽選は合計7回に達した。過去の2013年と2017年の6回を上回る史上最多の抽選回数として報じられた。
2023年ドラフト1位の最終指名選手12人最終的に各球団が獲得した1位選手は以下のとおり。最初に入札した選手と、最終的に交渉権を獲得した選手が異なる球団もある。
- 阪神タイガース:下村海翔(青山学院大学)
- 広島東洋カープ:常廣羽也斗(青山学院大学)
- 横浜DeNAベイスターズ:度会隆輝(ENEOS)
- 読売ジャイアンツ:西舘勇陽(中央大学)
- 東京ヤクルトスワローズ:西舘昂汰(専修大学)
- 中日ドラゴンズ:草加勝(亜細亜大学)
- オリックス・バファローズ:横山聖哉(上田西高校)
- 千葉ロッテマリーンズ:上田希由翔(明治大学)
- 福岡ソフトバンクホークス:前田悠伍(大阪桐蔭高校)
- 東北楽天ゴールデンイーグルス:古謝樹(桐蔭横浜大学)
- 埼玉西武ライオンズ:武内夏暉(國學院大學)
- 北海道日本ハムファイターズ:細野晴希(東洋大学)
特に押さえておきたいのは、ヤクルトが最初に武内夏暉を指名した後、西舘昂汰を獲得した点、日本ハムが西舘勇陽、前田悠伍を経て細野晴希を獲得した点だ。ドラフト速報を確認する際は、最初の入札と最終的な交渉権獲得を区別する必要がある。
【12球団指名順位一覧】支配下72人・育成50人の全122人を紹介
ここでは2023年ドラフト会議の全指名結果を球団別に整理する。支配下指名と育成指名を分け、順位順に掲載した。選手名の確認や球団ごとの補強方針を比較する際に役立つ一覧だ。
パ・リーグの指名選手一覧オリックス・バファローズ(計12人)
支配下:1位・横山聖哉、2位・河内康介、3位・東松快征、4位・堀柊那、5位・高島泰都、6位・古田島成龍、7位・権田琉成。
育成:1位・寿賀弘都、2位・大江海透、3位・宮国凌空、4位・芦田丈飛、5位・河野聡太。
千葉ロッテマリーンズ(計10人)
支配下:1位・上田希由翔、2位・大谷輝龍、3位・木村優人、4位・早坂響、5位・寺地隆成。
育成:1位・武内涼太、2位・松石信八、3位・高野光海、4位・藤田和樹、5位・富山紘之進。
福岡ソフトバンクホークス(計15人)
支配下:1位・前田悠伍、2位・岩井俊介、3位・広瀬隆太、4位・村田賢一、5位・澤柳亮太郎、6位・大山凌、7位・藤田悠太郎。
育成:1位・大泉周也、2位・宮里優吾、3位・佐倉侠史朗、4位・中沢恒貴、5位・星野恒太朗、6位・藤原大翔、7位・藤田淳平、8位・長水啓真。
東北楽天ゴールデンイーグルス(計8人)
支配下:1位・古謝樹、2位・坂井陽翔、3位・日當直喜、4位・ワォーターズ璃海ジュミル、5位・松田啄磨、6位・中島大輔、7位・大内誠弥、8位・青野拓海。
育成指名はなし。
埼玉西武ライオンズ(計13人)
支配下:1位・武内夏暉、2位・上田大河、3位・杉山遥希、4位・成田晴風、5位・宮澤太成、6位・村田怜音、7位・糸川亮太。
育成:1位・シンクレア ジョセフ 孝ノ助、2位・谷口朝陽、3位・川下将勲、4位・金子功児、5位・木瀬翔太、6位・奥村光一。
北海道日本ハムファイターズ(計8人)
支配下:1位・細野晴希、2位・進藤勇也、3位・宮崎一樹、4位・明瀬諒介、5位・星野ひので。
育成:1位・浜田泰希、2位・平田大樹、3位・加藤大和。
セ・リーグの指名選手一覧阪神タイガース(計8人)
支配下:1位・下村海翔、2位・椎葉剛、3位・山田脩也、4位・百崎蒼生、5位・石黒佑弥、6位・津田淳哉。
育成:1位・松原快、2位・福島圭音。
広島東洋カープ(計8人)
支配下:1位・常廣羽也斗、2位・高太一、3位・滝田一希、4位・仲田侑仁、5位・赤塚健利。
育成:1位・杉田健、2位・佐藤啓介、3位・杉原望来。
横浜DeNAベイスターズ(計11人)
支配下:1位・度会隆輝、2位・松本凌人、3位・武田陸玖、4位・石上泰輝、5位・石田裕太郎、6位・井上絢登。
育成:1位・高見澤郁魅、2位・清水麻成、3位・小笠原蒼、4位・庄司陽斗、5位・近藤大雅。
読売ジャイアンツ(計12人)
支配下:1位・西舘勇陽、2位・森田駿哉、3位・佐々木俊輔、4位・泉口友汰、5位・又木鉄平。
育成:1位・三浦克也、2位・村山源、3位・宇都宮葵星、4位・田上優弥、5位・園田純規、6位・千葉隆広、7位・平山功太。
東京ヤクルトスワローズ(計7人)
支配下:1位・西舘昂汰、2位・松本健吾、3位・石原勇輝、4位・鈴木叶、5位・伊藤琉偉。
育成:1位・高橋翔聖、2位・高野颯太。
中日ドラゴンズ(計10人)
支配下:1位・草加勝、2位・津田啓史、3位・辻本倫太郎、4位・福田幸之介、5位・土生翔太、6位・加藤竜馬。
育成:1位・日渡騰輝、2位・菊田翔友、3位・尾田剛樹、4位・川上理偉。
以上が12球団の支配下72人、育成50人の全指名選手である。球団別の人数を合計すると122人となり、NPBの発表人数と一致する。
【2026年最新成績】武内夏暉・度会隆輝・前田悠伍ら注目6選手の現在
2023年ドラフトの評価を考えるうえで、指名当時の期待度だけでは不十分だ。プロ入り後に一軍でどれだけ出場機会を得たか、数字を残せたか、チームの戦力として定着したかが重要になる。
以下はNPB公式の個人年度別成績を中心に整理した、2026年シーズン終了時点の主要6選手の成績である。
2023年ドラフト1位・注目選手の成績比較| 選手・球団 | 2023年指名 | 2026年一軍成績 | 2026年時点の評価 |
|---|---|---|---|
| 武内夏暉 西武 |
1位・3球団競合 | 23登板、11勝8敗、143回、防御率3.27 | 先発の中心として活躍 |
| 度会隆輝 DeNA |
1位・3球団競合 | 134試合、打率.274、9本塁打、51打点 | 一軍の主力候補へ成長 |
| 常廣羽也斗 広島 |
1位・2球団競合 | 7登板、0勝0敗、8回、防御率4.50 | 一軍定着に向けて課題 |
| 西舘勇陽 巨人 |
1位・2球団競合 | 14登板、2勝4敗、57回、防御率3.00 | 一軍で経験を積む段階 |
| 細野晴希 日本ハム |
1位・外れ外れ1位 | 12登板、3勝5敗、73回2/3、防御率3.42 | 先発候補として成長中 |
| 前田悠伍 ソフトバンク |
1位・外れ1位 | 19登板、12勝1敗、111回2/3、防御率2.10 | 先発ローテーションの有力戦力 |
武内夏暉は2023年ドラフトで西武、ソフトバンク、ヤクルトの3球団が競合した左腕だ。西武が交渉権を獲得し、2024年から一軍で実績を積んだ。
プロ1年目の2024年は21登板、10勝6敗、防御率2.17。新人投手として申し分のない成績を残した。
2025年は12登板、4勝5敗、防御率5.26と苦戦したが、2026年は23登板、11勝8敗、防御率3.27まで回復。投球回も143回に達している。
2026年の成績で特に評価できるのは、勝利数だけでなく、年間を通して先発投手として一定の投球量を確保した点だ。2025年の不振を経て、再び西武の投手陣を支える存在になったことは、2023年ドラフト1位の成功例として注目できる。
度会隆輝|DeNAの外野手として出場機会を拡大度会隆輝はENEOSからDeNAに入団した外野手。中日、ロッテとの3球団競合を制したDeNAが交渉権を獲得した。
プロ1年目の2024年は75試合に出場し、打率.255、3本塁打、24打点。2025年は86試合、打率.241、6本塁打、25打点だった。
そして2026年は134試合に出場し、打率.274、129安打、9本塁打、51打点を記録した。前年と比較して出場機会が大きく増え、打率も上昇している。
特に129安打という数字は、レギュラーとして継続的に打席に立つ機会を得たことを示す。即戦力外野手として獲得したDeNAの期待に、着実に応えている選手の一人だ。
常廣羽也斗|広島で一軍定着を目指す右腕常廣羽也斗は青山学院大学から広島に入団した右投手。広島と楽天が競合し、広島の新井貴浩監督が交渉権を引き当てた。
プロ1年目の2024年は2登板、1勝0敗、防御率2.45。2025年は7登板、2勝4敗、防御率7.96だった。
2026年は7登板、8投球回、0勝0敗、防御率4.50。登板機会はあったものの、年間を通じて先発ローテーションを任される段階には至っていない。
大学時代の評価を考えれば、今後の課題は一軍で安定した投球を続けることだ。1位指名の価値を長期的に判断するには、これからの登板内容と起用機会が重要になる。
西舘勇陽|巨人の投手陣で役割を確立できるか西舘勇陽は中央大学から巨人に入団。日本ハムとの競合を制した阿部慎之助監督が交渉権を獲得した。
2024年は28登板、1勝3敗、1セーブ、20ホールド、防御率3.82を記録。プロ1年目から救援投手として多くの登板機会を得た。
2025年は15登板、防御率4.22、2026年は14登板、2勝4敗、防御率3.00だった。2026年は57投球回、65奪三振を記録している。
防御率は改善した一方、登板数は1年目を下回っている。今後は救援、先発のいずれで持ち味を発揮するのか、チーム内での役割を固められるかがポイントとなる。
細野晴希|日本ハムの左腕として成長を続ける細野晴希は東洋大学から日本ハムに入団した左腕。日本ハムは最初の西舘勇陽、次の前田悠伍の抽選を外した後、細野晴希を指名し、ロッテとの抽選を制した。
2024年は2登板、防御率3.86。2025年は6登板、3勝1敗、防御率1.51と好成績を残した。
2026年は12登板、3勝5敗、防御率3.42、73回2/3を記録。奪三振は81個で、投球回を上回る奪三振能力を見せている。
一方で、与四球22個や被本塁打6本など、先発投手として改善したい部分もある。2026年は一軍で経験を積み、今後のローテーション定着に向けて土台を築いたシーズンだった。
前田悠伍|ソフトバンクで2026年に大きく飛躍前田悠伍は大阪桐蔭高校からソフトバンクに入団した左投手。最初の入札では武内夏暉を指名したソフトバンクが、外れ1位で前田を指名し、日本ハム、楽天との抽選を制した。
プロ1年目の2024年は1登板、3投球回、防御率18.00。2025年も3登板、1勝1敗、防御率3.97と、一軍での登板機会は限られていた。
しかし、2026年は大きく飛躍した。NPB公式成績では、19登板、12勝1敗、111回2/3、防御率2.10。勝率は.923に達している。
12勝1敗という数字は、2023年ドラフト1位の中でも特に目立つ実績だ。高校卒業後の成長期間を経て、ソフトバンクの先発投手として大きな戦力になったことを示している。
2023年の指名時点では将来性を重視した高校生投手だったが、2026年には即戦力級の成績を残すまでになった。今回取り上げた6選手の中でも、2026年シーズンの成績面では特に大きな飛躍を遂げた選手といえる。
【2023年ドラフト指名選手の現在】一軍到達75人・定着17人という実績
2023年に指名された122人全体を見ると、1位選手だけでは分からないドラフトの成果が浮かび上がる。
2026年時点の民間データベースによる集計では、122人のうち一軍出場を経験した選手は75人。一軍定着の目安に達した選手は17人とされている。
一軍到達率と定着率を数字で見る- ドラフト指名総数:122人
- 一軍出場経験者:75人
- 一軍定着の基準に達した選手:17人
- 一軍到達率:約61.5%
- 定着基準到達率:約13.9%
この集計でいう定着は、通算300打席以上、または通算100投球回以上という独自の基準によるものだ。NPBが公式に定めたドラフト評価指標ではないが、選手の一軍での実績を比較する際の参考になる。
一軍公式戦に一度でも出場することと、長期的にチームの主力として活躍することは別の問題だ。75人が一軍を経験した一方で、17人が定着の目安に到達したという数字は、プロの世界で継続的な結果を出す難しさを示している。
1位だけでは判断できないドラフトの成果2023年ドラフトを振り返る際、1位指名選手の成績だけで球団の補強を評価するのは適切ではない。
例えば、巨人の4位指名だった泉口友汰、ロッテの5位指名だった寺地隆成、オリックスの6位指名だった古田島成龍など、上位指名以外にも一軍で注目される選手がいる。
泉口友汰は内野手として、寺地隆成は捕手・野手として、古田島成龍は投手として、それぞれチームに貢献してきた選手だ。
こうした選手の存在は、スカウトが上位指名候補だけでなく、各順位でどのような役割を期待できる人材を獲得したかが重要であることを示している。
育成50人の指名にも注目すべき理由2023年ドラフトでは育成選手が50人指名された。育成指名は、支配下登録を前提とした即戦力補強とは異なり、将来的な支配下昇格や一軍戦力化を視野に入れた選手獲得の側面が強い。
育成選手の場合、指名順位だけで将来性を判断することはできない。ファームでの出場機会、身体能力の向上、技術面の成長、支配下登録の有無など、複数の要素を見ていく必要がある。
特にソフトバンクや巨人、西武など育成選手を複数指名した球団では、支配下指名選手とは別の視点からドラフトの成果を検証する必要がある。
2026年時点の一軍出場だけで育成選手の将来を決めつけるのは早い。プロ入り後3年という期間は、まだ成長途上の選手にとって通過点でもある。
【プロの結論】2023年ドラフトの成功球団を見極める3つの判断基準
2023年ドラフトは、抽選の多さや有名選手の競合だけでなく、入団後の成長という観点でも興味深い結果になった。
2026年までの実績を踏まえると、ドラフトの評価では次の3点が重要になる。
1. 1位選手が期待された役割を果たしているか最も分かりやすい判断基準は、1位指名選手が球団の補強目的に応えているかどうかだ。
武内夏暉は先発投手として11勝を挙げ、度会隆輝は134試合に出場した。前田悠伍も12勝を記録しており、2023年の上位指名が2026年の戦力につながった例といえる。
一方、常廣羽也斗のように、まだ一軍で安定した成績を残す段階に至っていない選手もいる。こうした選手をすぐに失敗と判断するのではなく、今後の成長余地も含めて評価する必要がある。
2. 2位以下から一軍の戦力が育っているかドラフトは1位だけで完結しない。2位以下の選手がレギュラーや主力投手へ成長すれば、チーム全体の補強効果は大きくなる。
2023年の指名選手では、巨人の泉口友汰やロッテの寺地隆成など、上位指名以外の選手にも注目すべき実績がある。
球団のドラフト戦略を評価するときは、指名順位ごとの一軍出場、出場試合数、打席数、投球回数を確認することが大切だ。
3. 育成選手を含めた長期的な戦力形成ができているか育成指名50人の成果を測るには、支配下登録や一軍出場だけでなく、ファームでの成長過程も確認したい。
育成選手は、プロ入り直後から一軍で結果を残すとは限らない。数年間の身体づくりや技術向上を経て、支配下登録を勝ち取るケースもある。
そのため、2023年ドラフトの最終的な評価は2026年で確定するものではない。2027年以降の成長も含め、球団が獲得した122人のキャリアを長期的に追う必要がある。
今回のドラフトで特に興味深いのは、1位指名の抽選で獲得した選手だけでなく、外れ1位や中位・下位指名の選手にも一軍戦力へ成長した選手がいることだ。指名順位と実際のプロでの価値は、必ずしも一致しない。
【ドラフト会議2023速報】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2023年のプロ野球ドラフト会議はいつ開催された?
A1:2023年10月26日(木)に東京都内で開催された。正式名称は「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」である。
Q2:2023年ドラフトで指名された選手は合計何人?
A2:支配下選手72人、育成選手50人の合計122人。育成ドラフトには11球団が参加した。
Q3:2023年ドラフトで最も競合した選手は誰?
A3:度会隆輝と武内夏暉、前田悠伍の3選手がそれぞれ3球団から指名された。度会はDeNA、武内は西武、前田はソフトバンクが交渉権を獲得した。
Q4:2023年のドラフト1位で最も活躍している選手は誰?
A4:2026年シーズンの成績では、ソフトバンクの前田悠伍が19登板、12勝1敗、防御率2.10と目立つ成績を残した。西武の武内夏暉も11勝を挙げ、DeNAの度会隆輝も134試合に出場している。
Q5:2023年ドラフト指名選手の一軍定着状況は?
A5:民間データベースの集計では、122人中75人が一軍出場を経験し、17人が通算300打席または100投球回という定着の目安に到達している。
Q6:2023年ドラフトの公式指名結果はどこで確認できる?
A6:日本野球機構(NPB)の公式サイトにある「2023年プロ野球ドラフト会議」の選択選手一覧で確認できる。球団ごとの支配下指名・育成指名が掲載されているほか、個人年度別成績では選手の一軍成績も確認できる。
2023年10月26日に開催されたプロ野球ドラフト会議では、支配下72人、育成50人の合計122人が指名された。1位指名では度会隆輝、武内夏暉、常廣羽也斗、西舘勇陽らに競合が集中し、抽選は史上最多の7回に達した。
入団後3シーズンを終えた2026年には、武内夏暉が11勝、度会隆輝が134試合出場、前田悠伍が12勝1敗という実績を残した。2023年のドラフトで期待された選手たちが、それぞれ異なる形で一軍の舞台に立っている。
一方、常廣羽也斗や西舘勇陽、細野晴希のように、今後の成長や役割の確立が期待される選手もいる。ドラフトの成果は、入団直後の成績や1年目の評価だけでは判断できない。
2023年ドラフトを正しく評価するなら、1位指名の成功だけでなく、2位以下の選手の成長、育成選手の支配下昇格、そして一軍での継続的な出場機会まで見る必要がある。
2023年ドラフトは、2026年時点ですでに明確な成果を残した選手がいる一方、これからの成長が楽しみな選手も多い世代だ。今後のシーズンで誰が主力へ成長し、どの球団の指名戦略が最終的な成功につながるのか。122人それぞれのキャリアは、まだ続いている。
主な参照資料: NPB公式の2023年ドラフト指名結果・2026年個人年度別成績、TBS NEWS DIGの12球団全指名選手一覧、2023年抽選結果の報道、2023年指名選手の一軍到達・定着集計。