2026年11月場所の番付発表は10月26日。朝乃山は秋場所の東前頭6枚目から5枚上がり、東前頭筆頭に昇進した。
九州場所は11月8日に福岡国際センターで初日を迎える。11月4日現在、場所前の段階であり、九州場所の星取表はまだ白星・黒星がついていない。日本相撲協会の公式プロフィールでも、11月場所の成績は0勝0敗と掲載されている。
秋場所10勝5敗が番付上昇につながった秋場所の朝乃山は、初日から一山本、錦富士を連破。3日目に狼雅に敗れたものの、その後も白星を重ねた。中盤以降は阿炎、金峰山、美ノ海、熱海富士らを破り、13日目には10勝目に到達した。
最終的な星取表は10勝5敗。14日目に藤ノ川、千秋楽に義ノ富士に敗れたものの、再入幕から5場所目で初の幕内2桁勝利を達成した。日本相撲協会の公式星取表にも、15日間の対戦相手と勝敗が記録されている。
この成績は、単なる勝ち越し以上の意味を持つ。幕内下位で安定して勝つ段階から、上位力士と対戦する番付へ進んだためだ。九州場所では横綱・大関を含む上位陣との対戦が見込まれ、実力を測る重要な15日間となる。
2026年の番付推移と星取表| 本場所 | 番付 | 成績 |
|---|---|---|
| 2026年初場所 | 東前頭16枚目 | 9勝6敗 |
| 2026年春場所 | 西前頭12枚目 | 8勝7敗 |
| 2026年夏場所 | 東前頭10枚目 | 7勝5敗3休 |
| 2026年名古屋場所 | 東前頭10枚目 | 9勝6敗 |
| 2026年秋場所 | 東前頭6枚目 | 10勝5敗 |
| 2026年九州場所 | 東前頭筆頭 | 11月4日現在、場所前 |
出典:日本相撲協会公式プロフィール、2026年九州場所番付。
2026年だけを見ても、初場所から九州場所までに東前頭16枚目から東前頭筆頭へと大きく番付を上げている。5場所を通じて休場のあった夏場所を除けば、安定して勝ち越している点も評価材料だ。
【復活の軌跡】朝乃山はなぜ三段目まで落ちたのか?左膝の大けがから幕内復帰まで
朝乃山の現在を理解するには、2024年7月の名古屋場所で起きた左膝の大けがを振り返る必要がある。
当時の朝乃山は東前頭12枚目。大関経験者として再び上位を目指していたが、名古屋場所4日目の一山本戦で左膝を負傷した。診断は左膝前十字靱帯断裂、左膝内側側副靱帯損傷、左大腿骨骨挫傷。翌5日目から休場となった。
手術とリハビリ、そして三段目への転落手術は2024年7月30日に行われ、8月には手術成功とリハビリ開始が報じられた。当初は2025年初場所での復帰も視野に入っていたが、回復を優先。実際の本場所復帰は2025年3月の春場所まで待つことになった。
負傷後は2024年秋場所、九州場所、2025年初場所と休場が続いた。番付は十両、幕下へと下がり、最終的には三段目まで転落した。大関まで経験した力士が、再び下位の番付から土俵に戻ることになったのである。
三段目優勝から幕内復帰までの歩み2025年春場所、朝乃山は西三段目21枚目で復帰。7戦全勝で三段目優勝を果たした。長期離脱後の復帰場所で全勝したことは、再起に向けた大きな一歩だった。
その後も幕下で勝ち越しを続け、2025年夏場所は6勝1敗、名古屋場所は5勝2敗。2025年秋場所には西十両13枚目で12勝3敗を記録し、関取に復帰した。
続く九州場所でも西十両4枚目で12勝3敗。2場所連続の好成績を残し、2026年初場所には東前頭16枚目で幕内復帰を果たした。三段目から幕内まで戻る過程には、各段での勝ち越しと優勝争いが積み重なっている。
朝乃山の番付推移・復活年表| 時期 | 番付・出来事 | 成績・意味 |
|---|---|---|
| 2024年5月 | 東小結 | 15日間全休 |
| 2024年7月 | 東前頭12枚目 | 3勝2敗10休。左膝を負傷 |
| 2024年9月 | 西十両3枚目 | 0勝0敗15休 |
| 2024年11月 | 東幕下筆頭 | 0勝0敗7休 |
| 2025年1月 | 西幕下41枚目 | 0勝0敗7休 |
| 2025年3月 | 西三段目21枚目 | 7勝0敗、三段目優勝 |
| 2025年5月 | 西幕下14枚目 | 6勝1敗 |
| 2025年7月 | 西幕下筆頭 | 5勝2敗、関取復帰へ前進 |
| 2025年9月 | 西十両13枚目 | 12勝3敗、十両復帰 |
| 2025年11月 | 西十両4枚目 | 12勝3敗 |
| 2026年1月 | 東前頭16枚目 | 9勝6敗、幕内復帰 |
| 2026年9月 | 東前頭6枚目 | 10勝5敗、幕内2桁勝利 |
| 2026年11月 | 東前頭筆頭 | 三役復帰を狙う位置へ |
出典:日本相撲協会公式プロフィール、朝乃山富山後援会の場所別成績。
この年表で注目したいのは、復帰後の上昇が一度の好成績だけで実現したものではない点だ。三段目優勝、幕下での勝ち越し、十両での連続12勝3敗を経て、ようやく幕内に戻っている。
朝乃山は2022年にも出場停止処分後に三段目から再起した経験がある。今回の負傷による転落は再び下位からの出直しを迫られる出来事だった。異なる事情による2度の再起を経験したことも、朝乃山のキャリアを語るうえで見逃せない。
【三役復帰の可能性】2026年九州場所で朝乃山に求められる成績とは?
九州場所で東前頭筆頭に位置する朝乃山にとって、最大のテーマは三役復帰だ。三役とは、関脇と小結を指す。前頭筆頭はその直下に位置し、三役に戻るための重要なポジションとなる。
10月11日の秋巡業・射水場所では、朝乃山自身が三役復帰を目標に掲げた。地元富山での取材に対して、秋場所の成績を振り返りながら、九州場所では勝ち越し以上を目指す考えを示している。
東前頭筆頭は三役に近いが、勝ち越すだけでは足りない前頭筆頭まで上がると、上位陣と対戦する機会が増える。そこで重要なのは、単に8勝7敗で勝ち越すことだけではない。関脇・小結や大関、横綱といった強豪を相手に、どれだけ白星を積み上げられるかが評価のポイントになる。
三役の人数や成績、他の力士の番付との兼ね合いもあるため、前頭筆頭で勝ち越せば必ず三役に上がれるわけではない。
朝乃山にとっては、九州場所で上位陣との対戦に勝ち越し、二桁勝利に近い成績を残せれば、三役復帰の可能性は大きく高まる。反対に、上位戦で黒星が先行すれば、番付を維持すること自体が課題になる。
九州場所で注目したい3つのポイント
上位陣との対戦内容
横綱・大関・関脇・小結を相手に、立ち合いから自分の形を作れるか。勝敗だけでなく、内容も評価の材料になる。
右四つからの攻めと前に出る圧力
朝乃山の持ち味である右四つ、寄りを生かし、相手に先手を取らせない相撲を続けられるか。
15日間を通したコンディション
過去に左膝の大けがを経験しているだけに、序盤の勢いを終盤まで維持できるかが大切になる。
11月1日の日刊スポーツの報道によると、朝乃山はその3日前に左足首を痛めたものの、同日には不安が消え、11月2日から出稽古を始める意向を示した。
場所前の調整に関する情報としては安心材料だが、実際に15日間を戦い抜けるかどうかは本場所での状態を見なければ判断できない。左膝の負傷歴があるだけに、足元のコンディションは今場所の重要な観察点となる。
【大関復帰の条件】朝乃山は再び大関になれるのか?
朝乃山は2020年7月場所に大関へ昇進した経験を持つ。大関在位は2020年7月場所から2021年7月場所まで。現在の目標は、単に幕内上位へ戻ることではなく、かつて立った大関の地位を再び目指すことにある。
2026年11月1日には、朝乃山自身が「大関に戻りたい」と明言した。福岡市内の高砂部屋で調整しながら、九州場所に向けて気持ちを新たにしている。
大関昇進には三役での継続的な実績が必要大関昇進の目安として広く知られているのが、三役で直近3場所合計33勝という数字だ。ただし、これは機械的に適用される絶対条件ではない。勝ち星だけでなく、相撲の内容や対戦相手、場所ごとの成績などを踏まえて審判部が判断する。
実際、2000年以降の大関昇進例を分析した日刊スポーツの2026年9月の解説では、昇進した25人のうち21人が33勝以上だった一方、朝乃山を含む4人は32勝で昇進している。つまり、33勝は重要な目安ではあるが、唯一の条件ではない。
朝乃山が大関に戻るまでの現実的なステップ
第1段階:九州場所で三役復帰
前頭筆頭から関脇・小結への昇進を狙う。上位陣との対戦で実力を示す必要がある。
第2段階:三役で勝ち越しを継続
一場所だけの好成績ではなく、複数場所にわたって上位力士と互角以上に戦うことが求められる。
第3段階:直近3場所の成績を積み上げる
33勝前後を一つの目安として、相撲内容も含めた昇進判断につなげる。
第4段階:審判部による昇進判断
成績や内容を総合的に評価され、大関昇進の可否が判断される。
ここで押さえておきたいのは、朝乃山は現在、まだ三役ではないという事実だ。大関再昇進を語るには、まず三役に戻り、そこから複数場所にわたって高い水準の成績を残す必要がある。
32歳という年齢や過去の負傷歴を考慮すれば、体力面の維持も欠かせない。ただし、2026年秋場所の10勝5敗は、上位復帰に向けた実力を示す結果となった。今後の成績次第では、大関再挑戦という目標が現実味を帯びてくる。
【プロフィール・歴代成績】朝乃山の幕内優勝と三賞受賞歴
朝乃山 広暉(あさのやま ひろき)
日本相撲協会公式プロフィール掲載情報
- 本名:石橋広暉
- 生年月日:1994年3月1日
- 出身地:富山県富山市
- 所属:高砂部屋
- 身長:188cm
- 体重:172kg
- 最高位:大関
朝乃山は2016年3月場所に初土俵を踏み、2017年9月場所で新入幕を果たした。2019年5月場所には12勝3敗で幕内初優勝。殊勲賞と敢闘賞も受賞し、上位を目指す力士として存在感を示した。
同年11月場所に新三役となり、2020年7月場所に大関昇進。幕内優勝を経験した実力者として、相撲界の中心的な存在へと成長した。
| 項目 | 公式記録 |
|---|---|
| 幕内優勝 | 1回 |
| 十両優勝 | 1回 |
| 幕下優勝 | 1回 |
| 三段目優勝 | 2回 |
| 殊勲賞 | 2回 |
| 敢闘賞 | 3回 |
| 技能賞 | 1回 |
| 金星 | 1個 |
| 大関在位 | 7場所 |
出典:日本相撲協会「歴代大関・朝乃山」公式記録。
通算成績から見る朝乃山の実力日本相撲協会の2026年11月場所時点の公式プロフィールでは、朝乃山の生涯戦歴は439勝219敗159休(64場所)。幕内戦歴は287勝182敗101休、大関戦歴は51勝24敗30休と記録されている。
得意技は押し、右四つ、寄り。特に右四つから相手を組み止め、前に出る攻めは朝乃山の持ち味だ。過去6場所の決まり手傾向でも寄り切りが47%、押し出しが18%を占めている。力強く前進する相撲が数字にも表れている。
高砂部屋と朝乃山を支えた師匠との関係朝乃山が所属する高砂部屋は、朝乃山の大関昇進とその後の再起を支えてきた場所だ。特に、先代高砂親方(元大関朝潮)の長岡末弘さんは、朝乃山を大関へ育てた師匠として大きな存在だった。
2026年11月2日は先代師匠の命日。前日の11月1日、朝乃山は師匠から繰り返し言われた「前に出ろ」という教えを振り返った。場所中に連敗した際には食事に誘われ、気分転換を促されたこともあったという。
大けがから幕内へ戻った朝乃山が、再び大関を目指すと語ったタイミングは、師匠への思いとも重なる。現在の目標は個人の番付上昇にとどまらず、これまで支えてきた人々への恩返しという意味合いも持っている。
【プロの結論】朝乃山の復活を評価する3つの判断基準
朝乃山の2026年を評価するとき、番付だけに注目すると見落とすものがある。重要なのは、負傷前の実力にどこまで戻ったか、上位陣との対戦に耐えられるか、そして15日間を安定して戦えるかという3つの観点だ。
1. 番付の上昇だけでなく対戦相手を見る東前頭筆頭という地位は、上位力士と対戦する機会が増えることを意味する。幕内下位で勝ち星を重ねることと、横綱・大関を相手に白星を挙げることは難易度が違う。
九州場所では、勝ち越しという結果に加えて、上位戦でどのような相撲を取るかが評価の分かれ目になる。
2. 2桁勝利を継続できるか秋場所の10勝5敗は、復活の確かな成果だ。しかし、三役や大関を目指すなら、一度の好成績で満足することはできない。連続して2桁勝利に近い数字を残せるか、あるいは三役で安定して勝ち越せるかが重要になる。
3. けがをせずに15日間を戦えるか左膝の前十字靱帯断裂から復帰した朝乃山にとって、身体の状態は競技力と同じくらい重要だ。特に相撲は、立ち合いの衝撃、踏ん張り、組み合いの負荷が下半身に集中する競技である。
九州場所直前には左足首の状態も報じられた。場所前の不安が解消したという情報はあるものの、長期的に安定した成績を残すには、稽古量と回復のバランスを保つことが欠かせない。
朝乃山の現在を正しく評価するなら、過去の大関という肩書だけで判断するのでも、けがによる休場歴だけで評価するのでもなく、直近の成績、対戦相手、身体の状態を総合的に見る必要がある。
【朝乃山の現在】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:朝乃山は2026年九州場所で何枚目の番付ですか?
A1:東前頭筆頭です。2026年秋場所に東前頭6枚目で10勝5敗を記録し、5枚番付を上げました。
Q2:朝乃山の2026年秋場所の成績は何勝何敗ですか?
A2:10勝5敗です。再入幕後、初めての幕内2桁勝利となりました。
Q3:朝乃山はなぜ三段目まで落ちたのですか?
A3:2024年7月の名古屋場所で左膝前十字靱帯断裂などの大けがを負い、手術とリハビリのため複数場所を休場したからです。
Q4:朝乃山は三段目から幕内に復帰したのですか?
A4:はい。2025年春場所に西三段目21枚目で7戦全勝優勝を果たし、幕下、十両を経て2026年初場所に幕内復帰しました。
Q5:朝乃山が三役に復帰する可能性はありますか?
A5:あります。東前頭筆頭まで番付を上げており、九州場所で上位陣に勝って好成績を残せば、関脇・小結への昇進が期待できます。ただし、他力士の成績や番付との兼ね合いもあります。
Q6:朝乃山は再び大関になれますか?
A6:可能性はありますが、まず三役に復帰し、その後も複数場所で高い成績を残す必要があります。直近3場所33勝前後が一般的な目安ですが、相撲内容を含めた総合判断となります。
Q7:朝乃山の幕内優勝や三賞の受賞歴は?
A7:幕内優勝1回、殊勲賞2回、敢闘賞3回、技能賞1回です。幕内初優勝は2019年5月場所の12勝3敗でした。
Q8:朝乃山の出身地と所属部屋はどこですか?
A8:富山県富山市出身で、高砂部屋に所属しています。本名は石橋広暉です。
朝乃山は2024年7月の左膝の大けがによって、幕内から三段目まで番付を落とした。しかし、2025年春場所の三段目優勝を起点に、幕下、十両を経て2026年初場所に幕内復帰。秋場所では10勝5敗を挙げ、九州場所では東前頭筆頭まで戻ってきた。
2026年11月場所は、三役復帰を実現できるかどうかを占う大切な場所だ。上位陣との対戦でどれだけ白星を挙げられるか、そして15日間を健康な状態で戦い抜けるかが注目される。
大関再昇進には、三役復帰だけでなく、その後も継続して好成績を残す必要がある。道のりは決して短くない。それでも、三段目から幕内へ戻り、再び上位の番付に立った事実は、朝乃山の実力と粘り強さを示している。
「大関に戻りたい」という本人の言葉を実現できるか。2026年九州場所は、朝乃山の新たな挑戦を占う重要な15日間となる。
主な参考資料:日本相撲協会公式プロフィール・公式星取表、朝乃山富山後援会の戦歴資料、日刊スポーツ、スポーツ報知、富山テレビ放送。