2022年10月20日に開催されたプロ野球ドラフト会議は、巨人と阪神が競合した浅野翔吾、楽天とロッテが競合した荘司康誠を中心に、各球団の補強戦略が鮮明になったドラフトだった。最終的に、支配下選手69人、育成選手57人、合計126人の交渉権が確定。森下翔太、矢澤宏太、松尾汐恩、吉村貢司郎ら、将来を期待された選手たちがプロ入りを決めた。
2026年11月現在、指名から約4年が経過し、ドラフト当時の評価と実際のプロでの成績には、それぞれ違いが生まれている。阪神の森下翔太は主力打者へ成長し、楽天の荘司康誠も先発投手として実績を積み重ねた。一方、巨人の浅野翔吾や日本ハムの矢澤宏太など、さらなる飛躍を目指す選手もいる。ここでは12球団の1位指名・抽選結果から全126人の指名一覧、2026年シーズン終了時点の一軍成績までを整理する。
【2022年ドラフト速報】開催日・指名人数と12球団の注目結果

2022年のプロ野球ドラフト会議は、東京都内で10月20日に開催された。正式名称は「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」。主催は日本野球機構(NPB)で、17時から指名が始まった。
この年の大きな特徴は、1位指名を事前公表した球団が9球団に達したことだ。TBS NEWS DIGなどの開催当日の報道によると、逆指名制度が撤廃された2007年以降で最多となる公表数だった。
その結果、1位指名の抽選対象になったのは、高松商業高校の浅野翔吾と立教大学の荘司康誠の2人。浅野には巨人と阪神、荘司には楽天とロッテが入札した。
抽選では巨人が浅野翔吾の交渉権を獲得。楽天は荘司康誠を引き当てた。抽選に敗れた阪神は中央大学の森下翔太、ロッテは専修大学の菊地吏玖を外れ1位として指名した。
結果として、競合した2人以外の8球団は単独指名で1位選手を獲得。各球団の補強方針が比較的明確に表れたドラフトとなった。
2022年ドラフトの基本データ- 開催日:2022年10月20日
- 支配下指名:69人
- 育成指名:57人
- 総指名人数:126人
- 参加球団:12球団
- 競合した1位選手:浅野翔吾、荘司康誠
- 抽選に参加した球団:巨人、阪神、楽天、ロッテ
NPBの公式発表によると、支配下69人の内訳は投手36人、捕手5人、内野手17人、外野手11人。育成57人は投手30人、捕手5人、内野手12人、外野手10人だった。
つまり、全指名選手のうち投手が66人を占める。各球団が即戦力候補だけでなく、将来の投手陣を支える若手の確保にも力を入れたことが分かる。
【12球団一覧】1位指名・外れ1位・抽選結果を完全整理
2022年ドラフトの1位指名を球団別に振り返る。特に注目したいのは、競合した浅野翔吾と荘司康誠を獲得できなかった球団が、どの選手に切り替えたかという点だ。
| 球団 | 1位入札・抽選結果 | 最終的な1位指名選手 | 総指名数 |
|---|---|---|---|
| 日本ハム | 矢澤宏太を単独指名 | 矢澤宏太 | 10人 |
| 中日 | 仲地礼亜を単独指名 | 仲地礼亜 | 10人 |
| ロッテ | 荘司康誠の抽選に敗退 | 菊地吏玖(外れ1位) | 9人 |
| 広島 | 斉藤優汰を単独指名 | 斉藤優汰 | 10人 |
| 楽天 | 荘司康誠の抽選に当選 | 荘司康誠 | 10人 |
| 巨人 | 浅野翔吾の抽選に当選 | 浅野翔吾 | 14人 |
| 西武 | 蛭間拓哉を単独指名 | 蛭間拓哉 | 10人 |
| 阪神 | 浅野翔吾の抽選に敗退 | 森下翔太(外れ1位) | 7人 |
| ソフトバンク | イヒネ・イツアを単独指名 | イヒネ・イツア | 20人 |
| DeNA | 松尾汐恩を単独指名 | 松尾汐恩 | 10人 |
| オリックス | 曽谷龍平を単独指名 | 曽谷龍平 | 10人 |
| ヤクルト | 吉村貢司郎を単独指名 | 吉村貢司郎 | 6人 |
阪神が最初に入札したのは、高松商業高校の浅野翔吾だった。高校通算68本塁打を記録した右の強打者は、当時の高校生野手の中でも大きな注目を集めていた。
しかし、巨人との抽選に敗れ、阪神は外れ1位で中央大学の森下翔太を指名。結果的に、この選択は球団にとって大きな意味を持つことになる。
森下は入団後、長打力と勝負強さを備えた外野手として成長。2026年には35本塁打を記録し、1位指名選手の中でも特に目立つ成果を残した。
楽天とロッテの明暗を分けた荘司康誠の抽選立教大学の荘司康誠には楽天とロッテが入札した。189センチの長身から投げ下ろす本格派右腕として評価され、先発投手を必要とする球団にとって魅力的な存在だった。
抽選で交渉権を獲得したのは楽天。ロッテは外れ1位で専修大学の菊地吏玖を指名した。両球団とも大学生投手を1位に選んだ点は共通しているが、獲得した選手は異なるタイプの投手だった。
単独指名で獲得した注目選手DeNAは大阪桐蔭高校の捕手・松尾汐恩を単独指名。高校時代から打撃と捕手としての能力を評価されていた選手で、将来の正捕手候補として期待された。
日本ハムは日本体育大学の矢澤宏太を指名。投手と外野手の両方をこなせる二刀流の能力が特徴で、他球団とは異なる独自性のある補強だった。
ヤクルトは社会人野球の東芝で実績を残した吉村貢司郎を獲得。即戦力投手としての期待が大きく、プロ入り後も先発ローテーションを担ってきた。
【全126人】2022年ドラフト支配下69人・育成57人の指名選手一覧
ここでは2022年の指名選手を12球団別に整理する。各球団の支配下指名順位と育成指名順位を分けて掲載した。人数の違いにも注目したい。
セ・リーグ 東京ヤクルトスワローズ(計6人)支配下指名
- 1位:吉村貢司郎(投手・東芝)
- 2位:西村瑠伊斗(外野手・京都外大西高校)
- 3位:澤井廉(外野手・中京大学)
- 4位:坂本拓己(投手・知内高校)
- 5位:北村恵吾(内野手・中央大学)
育成指名
- 育成1位:橋本星哉(捕手・中央学院大学)
支配下指名
- 1位:松尾汐恩(捕手・大阪桐蔭高校)
- 2位:吉野光樹(投手・トヨタ自動車)
- 3位:林琢真(内野手・駒澤大学)
- 4位:森下瑠大(投手・京都国際高校)
- 5位:橋本達弥(投手・慶應義塾大学)
育成指名
- 育成1位:上甲凌大(捕手・愛媛マンダリンパイレーツ)
- 育成2位:鈴木蓮(内野手・滋賀学園高校)
- 育成3位:今野瑠斗(投手・東京都市大学塩尻高校)
- 育成4位:渡辺明貴(投手・茨城アストロプラネッツ)
- 育成5位:草野陽斗(投手・東日本国際大学附属昌平高校)
支配下指名
- 1位:森下翔太(外野手・中央大学)
- 2位:門別啓人(投手・東海大学付属札幌高校)
- 3位:井坪陽生(外野手・関東第一高校)
- 4位:茨木秀俊(投手・帝京長岡高校)
- 5位:戸井零士(内野手・天理高校)
- 6位:富田蓮(投手・三菱自動車岡崎)
育成指名
- 育成1位:野口恭佑(外野手・九州産業大学)
支配下指名
- 1位:浅野翔吾(外野手・高松商業高校)
- 2位:萩尾匡也(外野手・慶應義塾大学)
- 3位:田中千晴(投手・國學院大学)
- 4位:門脇誠(内野手・創価大学)
- 5位:船迫大雅(投手・西濃運輸)
育成指名
- 育成1位:松井颯(投手・明星大学)
- 育成2位:田村朋輝(投手・酒田南高校)
- 育成3位:吉村優聖歩(投手・明徳義塾高校)
- 育成4位:中田歩夢(内野手・東奥義塾高校)
- 育成5位:相澤白虎(内野手・桐蔭学園高校)
- 育成6位:三塚琉生(外野手・桐生第一高校)
- 育成7位:大城元(外野手・未来沖縄高校)
- 育成8位:北村流音(投手・桐生第一高校)
- 育成9位:森本哲星(投手・市立船橋高校)
支配下指名
- 1位:斉藤優汰(投手・苫小牧中央高校)
- 2位:内田湘大(内野手・利根商業高校)
- 3位:益田武尚(投手・東京ガス)
- 4位:清水叶人(捕手・健大高崎高校)
- 5位:河野佳(投手・大阪ガス)
- 6位:長谷部銀次(投手・トヨタ自動車)
- 7位:久保修(外野手・大阪観光大学)
育成指名
- 育成1位:名原典彦(外野手・青森大学)
- 育成2位:中村貴浩(外野手・九州産業大学)
- 育成3位:辻大雅(投手・二松学舎大学附属高校)
支配下指名
- 1位:仲地礼亜(投手・沖縄大学)
- 2位:村松開人(内野手・明治大学)
- 3位:森山暁生(投手・阿南光高校)
- 4位:山浅龍之介(捕手・聖光学院高校)
- 5位:濱将乃介(内野手・NOリーグ・福井)
- 6位:田中幹也(内野手・亜細亜大学)
- 7位:福永裕基(内野手・日本新薬)
育成指名
- 育成1位:松山晋也(投手・八戸学院大学)
- 育成2位:野中天翔(投手・ノースアジア大学明桜高校)
- 育成3位:樋口正修(内野手・埼玉武蔵ヒートベアーズ)
支配下指名
- 1位:曽谷龍平(投手・白鷗大学)
- 2位:内藤鵬(内野手・日本航空石川高校)
- 3位:齋藤響介(投手・盛岡中央高校)
- 4位:杉澤龍(外野手・東北福祉大学)
- 5位:日髙暖己(投手・富島高校)
育成指名
- 育成1位:西濱勇星(投手・群馬ダイヤモンドペガサス)
- 育成2位:才木海翔(投手・大阪経済大学)
- 育成3位:入山海斗(投手・東北福祉大学)
- 育成4位:茶野篤政(外野手・徳島インディゴソックス)
- 育成5位:村上喬一朗(捕手・法政大学)
支配下指名
- 1位:イヒネ・イツア(内野手・誉高校)
- 2位:大津亮介(投手・日本製鉄鹿島)
- 3位:甲斐生海(外野手・東北福祉大学)
- 4位:大野稼頭央(投手・鹿児島県立大島高校)
- 5位:松本晴(投手・亜細亜大学)
- 6位:吉田賢吾(捕手・桐蔭横浜大学)
育成指名
- 育成1位:赤羽蓮(投手・霞ヶ浦高校)
- 育成2位:山下恭吾(内野手・福岡大学附属大濠高校)
- 育成3位:木村光(投手・佛教大学)
- 育成4位:内野海斗(投手・武田高校)
- 育成5位:岡植純平(投手・飾磨工業高校)
- 育成6位:佐々木明都(投手・学校法人松韻学園福島高校)
- 育成7位:水口創太(投手・京都大学)
- 育成8位:宮﨑颯(投手・東京農業大学)
- 育成9位:重松凱人(外野手・亜細亜大学)
- 育成10位:前田純(投手・日本文理大学)
- 育成11位:佐藤航太(内野手・八戸学院光星高校)
- 育成12位:飛田悠成(内野手・金沢高校)
- 育成13位:西尾歩真(内野手・中京学院大学)
- 育成14位:盛島稜大(捕手・興南高校)
支配下指名
- 1位:蛭間拓哉(外野手・早稲田大学)
- 2位:古川雄大(外野手・佐伯鶴城高校)
- 3位:野田海人(捕手・九州国際大学付属高校)
- 4位:青山美夏人(投手・亜細亜大学)
- 5位:山田陽翔(投手・近江高校)
- 6位:児玉亮涼(内野手・大阪ガス)
育成指名
- 育成1位:野村和輝(投手・石川ミリオンスターズ)
- 育成2位:日隈モンテル(外野手・徳島インディゴソックス)
- 育成3位:三浦大輝(投手・中京大学)
- 育成4位:是澤涼輔(捕手・法政大学)
支配下指名
- 1位:荘司康誠(投手・立教大学)
- 2位:小孫竜二(投手・鷺宮製作所)
- 3位:渡辺翔太(投手・九州産業大学)
- 4位:伊藤茉央(投手・東京農業大学北海道オホーツク)
- 5位:平良竜哉(内野手・NTT西日本)
- 6位:林優樹(投手・西濃運輸)
育成指名
- 育成1位:辰見鴻之介(内野手・西南学院大学)
- 育成2位:古賀康誠(投手・下関国際高校)
- 育成3位:竹下瑛広(投手・函館大学)
- 育成4位:永田颯太郎(内野手・国立台湾体育運動大学)
支配下指名
- 1位:菊地吏玖(投手・専修大学)
- 2位:友杉篤輝(内野手・天理大学)
- 3位:田中晴也(投手・日本文理高校)
- 4位:髙野脩汰(投手・日本通運)
- 5位:金田優太(内野手・浦和学院高校)
育成指名
- 育成1位:吉川悠斗(投手・浦和麗明高校)
- 育成2位:白濱快起(投手・飯塚高校)
- 育成3位:勝又琉偉(内野手・富士宮東高校)
- 育成4位:黒川凱星(内野手・学校法人石川高校)
支配下指名
- 1位:矢澤宏太(投手・日本体育大学)
- 2位:金村尚真(投手・富士大学)
- 3位:加藤豪将(内野手・3Aシラキュース)
- 4位:安西叶翔(投手・常葉大学附属菊川高校)
- 5位:奈良間大己(内野手・立正大学)
- 6位:宮内春輝(投手・日本製紙石巻)
育成指名
- 育成1位:藤田大清(外野手・花咲徳栄高校)
- 育成2位:中山晶量(投手・徳島インディゴソックス)
- 育成3位:山口アタル(外野手・テキサス大学タイラー校)
- 育成4位:山本晃大(投手・信濃グランセローズ)
以上が2022年ドラフトの支配下69人、育成57人の全126人だ。球団別ではソフトバンクが20人で最多、巨人が14人で続いた。最少はヤクルトの6人だった。
【2026年最新成績】森下翔太・浅野翔吾ら注目6選手の現在
ドラフトから約4年が経過した2026年。注目したいのは、当時の評価が現在の実績にどのようにつながったかという点だ。
以下の成績はNPBの個人年度別成績などに掲載された2026年シーズン終了時点の数字を基準にしている。6選手はいずれも、2026年の記録上、指名時と同じ球団に所属している。
森下翔太(阪神)|外れ1位から主力打者へ2022年ドラフトでは阪神の外れ1位。中央大学出身の右打ち外野手で、長打力と打点を稼ぐ能力が評価されていた。
プロ1年目の2023年は94試合に出場し、打率.237、10本塁打、41打点を記録。翌2024年は129試合で打率.275、16本塁打、73打点と成績を伸ばした。
2025年には143試合で23本塁打、89打点を記録。さらに2026年は143試合、152安打、打率.292、35本塁打、84打点という成績を残した。
2026年の35本塁打は、指名時に期待された長打力が一軍の舞台で大きく開花したことを示す数字だ。阪神の外野を担う中心選手として、2022年ドラフトを代表する成功例になっている。
浅野翔吾(巨人)|競合1位の高校生外野手、次の飛躍を目指す浅野翔吾は高松商業高校出身。高校通算68本塁打という実績を引っ提げ、巨人と阪神が競合した注目選手だった。
巨人が抽選で交渉権を獲得し、2023年にプロ入り。1年目は24試合で打率.250、1本塁打。2024年には40試合に出場し、打率.240、3本塁打を記録した。
一方、2025年は29試合、打率.187、2本塁打。2026年は一軍9試合で打率.185、1本塁打、1打点となった。
2026年時点では、一軍で継続的に出場するレギュラーの立場を確立したとはいえない。高校時代の打撃能力をプロの投手に対して安定して発揮できるかが、今後の大きな課題になる。
ただし、2026年の出場試合数だけで将来性を判断するのは早い。高卒で入団した選手は、身体の成長や技術の習得に時間を要する場合がある。競合1位という評価を結果に結びつけられるか、引き続き注目される。
矢澤宏太(日本ハム)|二刀流の可能性と外野手としての成長矢澤宏太は日本体育大学出身で、投手と外野手を兼任できる能力が特徴だった。日本ハムは2022年の1位で単独指名し、二刀流の可能性を持つ選手として獲得した。
プロ1年目の2023年は打者として37試合に出場し、打率.177、1本塁打。2024年は28試合で打率.111と苦しんだが、2025年には86試合、打率.247と出場機会を増やした。
2026年は73試合に出場し、打率.217、3本塁打、5打点、6盗塁。投手としても一軍で1試合に登板した記録がある。
プロ入り時に注目された二刀流という特徴を持ちながら、実際の出場状況では野手としての出場が中心となっている。打撃だけでなく、走塁や守備も含めた総合的な貢献が評価のポイントだ。
松尾汐恩(DeNA)|捕手として一軍出場を積み重ねる松尾汐恩は大阪桐蔭高校出身。2022年ドラフトではDeNAが単独で1位指名した。高校時代から打撃能力の高い捕手として評価され、将来の正捕手候補として期待された。
プロ入り後はファームで経験を積み、2024年に一軍27試合へ出場。打率.211を記録した。2025年は77試合で打率.250、4本塁打、18打点と出場機会を増やした。
2026年は89試合に出場し、打率.248、68安打、4本塁打、19打点。打席数も300に達しており、一軍での経験を着実に増やしている。
捕手は打撃だけで評価できないポジションだ。投手との連係、守備、試合運びなど、数字だけでは把握しきれない役割も大きい。松尾の今後は、出場数の増加とともに捕手としての総合力がどこまで伸びるかにかかっている。
荘司康誠(楽天)|2026年に9勝を記録した先発右腕立教大学から楽天に1位指名された荘司康誠は、長身から投げる力強いストレートと変化球を武器とする右腕だ。
2023年は19試合に登板し、5勝3敗、防御率3.36。プロ1年目から先発として経験を積んだが、2024年は7試合、1勝4敗、防御率6.98と苦しいシーズンになった。
2025年は13試合で4勝4敗、防御率3.07。2026年には25試合に登板し、9勝9敗、防御率3.45、159投球回、171奪三振を記録した。
2026年の159投球回と171奪三振は、先発投手としてシーズンを通じて働いたことを示す重要な数字だ。2024年の不調から立て直し、楽天の先発陣を支える投手へ成長している。
吉村貢司郎(ヤクルト)|即戦力右腕としての実績と2026年の課題吉村貢司郎は東芝出身の社会人投手。ヤクルトが2022年の1位で単独指名した即戦力候補だった。
プロ1年目の2023年は12試合に登板。2024年には23試合で9勝8敗、防御率3.19、2025年は22試合で8勝6敗、防御率3.05と、先発投手として安定した数字を残した。
しかし、2026年は21試合で4勝12敗、防御率4.84。113回1/3を投げて89奪三振を記録したものの、前年までと比べると成績は落ち込んだ。
即戦力として期待された選手だからこそ、2026年の結果は今後の課題を考える材料になる。失点を抑える投球内容や試合を作る能力を取り戻せるかが、次のシーズンに向けた焦点だ。
【ドラフト後の4年間を検証】成功した指名と期待される選手の違い
2022年ドラフトの結果を振り返ると、1位指名選手だけが球団の戦力になっているわけではないことが分かる。
巨人では4位の門脇誠や5位の船迫大雅、ロッテでは2位の友杉篤輝、中日では育成1位の松山晋也など、1位以外からも一軍で存在感を示す選手が出ている。
1位指名だけでドラフトの成否は決まらないドラフト会議では1位選手に注目が集まりやすい。しかし、球団の戦力形成という観点では、2位以下の選手がどれだけ一軍で役割を果たせるかも重要だ。
たとえば巨人の門脇誠は4位指名から一軍の内野手として出場機会を得た。船迫大雅も社会人出身の5位指名ながら、プロで登板機会を重ねた。
こうした例は、ドラフトの評価が指名順位だけでは決まらないことを示している。選手の適性と球団の育成環境、チーム事情が合致することで、下位指名からでも大きな成果が生まれる。
育成ドラフト57人が示す球団の長期戦略2022年は育成選手が57人指名された。なかでもソフトバンクは14人、巨人は9人と、多くの育成選手を獲得している。
育成指名は、支配下登録選手とは異なる契約区分で選手を獲得し、将来的な支配下登録や一軍昇格を目指す制度だ。即戦力を獲得するというより、時間をかけて選手の能力を伸ばす考え方が中心となる。
中日の松山晋也は、育成1位から一軍の重要なリリーフ投手へと成長した代表例だ。育成指名であっても、本人の能力と球団の育成方針がかみ合えば、チームを支える存在になれる。
2026年時点で見える球団別の評価ポイント2022年ドラフトの評価を考える際には、次の3つの観点が参考になる。
- 即戦力性:入団後すぐに一軍で出場し、チームの戦力になれたか。
- 成長曲線:プロ1年目から数年後にかけて、成績や出場機会を伸ばせたか。
- 役割の確立:先発、リリーフ、捕手、内野手、外野手など、球団内で必要なポジションを担えるようになったか。
森下翔太のように打撃成績を大きく伸ばした選手もいれば、荘司康誠のように先発投手として経験を積み上げた選手もいる。松尾汐恩のように、捕手という専門性の高いポジションで段階的に出場数を増やしている選手もいる。
反対に、浅野翔吾や吉村貢司郎のように、2026年時点では期待された役割と実績に差が残っている選手もいる。ドラフトの評価は、数年間の成績を追いながら見直す必要がある。
【プロの結論】2022年ドラフトは森下翔太と荘司康誠の成長が際立つ世代
2022年ドラフトを2026年の視点から振り返ると、注目すべきなのは指名時の人気や抽選の勝敗ではなく、実際に一軍でどのような役割を果たせるようになったかという点だ。
阪神の森下翔太は2026年に35本塁打を記録し、外れ1位という指名経緯を超える実績を残した。楽天の荘司康誠も9勝、159投球回という成績で先発投手としての存在感を示した。
一方、巨人の浅野翔吾は一軍出場が9試合にとどまり、DeNAの松尾汐恩は89試合に出場して経験を積んだ。日本ハムの矢澤宏太は野手としての出場が中心となり、ヤクルトの吉村貢司郎は成績の立て直しが必要なシーズンとなった。
この違いを考えるうえで、ドラフトには3つの評価軸がある。
- 指名時の評価:高校・大学・社会人での実績や将来性をどれだけ評価されたか。
- 育成環境との相性:球団の指導方針、起用方法、ポジション争いが選手の能力に合っていたか。
- 継続的な一軍実績:単年の活躍だけでなく、複数年にわたって出場機会と成績を維持できたか。
2022年のドラフトを単純に「当たり」「外れ」で分類するのは早計だ。高卒選手、大学生、社会人では成長に必要な時間が異なり、捕手と投手でも一軍定着までの道のりは違う。
特に育成選手は、支配下登録や一軍出場までの段階が多い。指名時点での順位よりも、数年後にどのような選手へ成長したかを見て評価することが、ドラフトを正しく理解するためのポイントになる。
【ドラフト2022の速報】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2022年のプロ野球ドラフト会議はいつ開催された?
A1:2022年10月20日に開催された。支配下69人、育成57人の合計126人が指名された。
Q2:2022年ドラフトで抽選になった1位選手は誰?
A2:高松商業高校の浅野翔吾と立教大学の荘司康誠の2人。浅野は巨人が阪神との抽選に勝ち、荘司は楽天がロッテとの抽選に勝って交渉権を獲得した。
Q3:阪神とロッテの外れ1位は誰?
A3:阪神は中央大学の森下翔太、ロッテは専修大学の菊地吏玖を指名した。いずれも最初の抽選に敗れた後の1位指名選手だ。
Q4:2022年ドラフトで最も多く指名した球団は?
A4:福岡ソフトバンクホークス。支配下6人、育成14人の合計20人を指名した。
Q5:2026年に最も目立つ成績を残した2022年ドラフト指名選手は?
A5:今回取り上げた選手では、阪神の森下翔太が2026年に打率.292、35本塁打、84打点を記録した。楽天の荘司康誠も9勝を挙げ、先発投手として実績を残している。
Q6:2022年ドラフトの育成1位から活躍した選手はいる?
A6:中日の松山晋也が代表的な例だ。育成1位で入団し、プロ入り後に一軍のリリーフ投手として存在感を高めた。
2022年10月20日のプロ野球ドラフト会議では、12球団から支配下69人、育成57人の合計126人が指名された。1位指名では巨人が浅野翔吾、楽天が荘司康誠を抽選で獲得し、阪神は森下翔太、ロッテは菊地吏玖を外れ1位で指名した。
2026年時点では、森下翔太が35本塁打を記録し、荘司康誠も9勝を挙げるなど、上位指名選手の成長が確認できる。一方で、浅野翔吾や矢澤宏太、松尾汐恩、吉村貢司郎は、それぞれ異なる課題や役割を抱えながらプロでのキャリアを続けている。
また、門脇誠、船迫大雅、友杉篤輝、松山晋也など、2位以下や育成指名から一軍で活躍する選手が生まれたことも、この年のドラフトを評価するうえで見逃せない。
ドラフトの本当の価値は、指名された瞬間だけでは決まらない。入団後の成長、一軍での役割、複数年にわたる成績、そして球団の育成力まで含めて評価する必要がある。2022年ドラフト組は、2026年を迎えてもなお、それぞれの立場で次のステージを目指している。