2026年6月25日、FIFAワールドカップ2026のグループF第3戦で、チュニジア代表とオランダ代表がカンザスシティ・スタジアムで対戦した。試合はオランダが3-1で勝利。エリス・スキリのオウンゴールで先制すると、ブライアン・ブロビーが追加点を挙げ、後半にはハゼム・マストゥーリの反撃を許しながらも、ヤン・ポール・ファンヘッケのヘディング弾で勝利を決定づけた。
この結果、オランダはグループFを首位で通過。一方、チュニジアは3連敗、勝ち点0で大会を終えた。日本時間では6月26日午前8時のキックオフとなった一戦について、試合経過、得点シーン、両チームのスタメン、フォーメーション、詳細スタッツを整理する。加えて、セットプレーへの対応と試合序盤の失点が勝敗に与えた影響、グループFの最終順位まで振り返る。
【試合結果】チュニジア対オランダは1-3!序盤の2失点が明暗を分けた

1
チュニジア
TUN3 - 1
2026年6月25日3
オランダ
NED
試合はアメリカ・ミズーリ州カンザスシティで開催された。観客数は68,391人。FIFAワールドカップ2026のグループステージ最終節にあたり、オランダはグループ首位を確定させるため、チュニジアは大会最後の試合で勝利を目指す状況だった。
試合の流れを決めたのは、開始からわずか7分間に生まれた2得点だ。
チュニジアは試合開始直後、マストゥーリが左サイドを突破してイスマエル・ガルビにパスを送り、最初のチャンスを作った。しかし、ガルビのシュートはクロスバーを越える。
その直後の3分、オランダのデンゼル・ダンフリースが供給したボールに対し、チュニジアのエリス・スキリがクリアを試みるも、ボールは自陣ゴールへ。思わぬオウンゴールによってオランダが先制した。
さらに7分、セットプレーからフィルジル・ファン・ダイクが頭で落としたボールをブライアン・ブロビーが押し込み、スコアは0-2となった。
序盤の2失点は、チュニジアにとって大きな痛手だった。守備を整えて試合を進めるプランは崩れ、早い時間帯から得点を追いかけなければならなくなった。
CAF(アフリカサッカー連盟)の試合報告でも、チュニジアの序盤の好機と、その後の連続失点が試合の重要な転換点として記録されている。
【試合経過・得点者】ブロビー、マストゥーリ、ファンヘッケが決めた4つの得点シーン
今回の試合は、4つの得点場面を時系列で追うと、両チームの攻撃の特徴がよく分かる。
3分:エリス・スキリのオウンゴールでオランダ先制最初の得点は、オランダの右サイドからの攻撃で生まれた。
ダンフリースが送ったボールに対してチュニジア守備陣が対応したものの、スキリのプレーが不運にも自陣ゴールへつながった。
スキリ本人にとっても厳しい立ち上がりとなったが、この失点だけで試合全体を評価するのは適切ではない。問題は、その直後に守備の立て直しができなかったことにもあった。
7分:ブライアン・ブロビーが追加点2点目はオランダのセットプレーから生まれた。
ファン・ダイクが頭でボールを落とし、ゴール前にいたブロビーが至近距離から力強くシュート。チュニジアの守備陣が対応する前にネットを揺らした。
このゴールは、単なる個人技ではない。
ファン・ダイクの空中戦の強さと、ブロビーのゴール前でのポジショニングが組み合わさった得点だった。
54分:ハゼム・マストゥーリがヘディングで反撃後半に入ると、チュニジアが反撃に出る。
54分、ハンニバル・メイブリが蹴ったコーナーキックにマストゥーリが反応。高い打点からヘディングシュートを放ち、オランダのゴールを破った。
この得点はマストゥーリにとって、ワールドカップデビュー戦での貴重なゴールでもあった。
0-2から1-2となり、チュニジアに追いつく可能性が生まれた。セットプレーという明確な攻撃手段から得点できた点も大きい。
62分:ヤン・ポール・ファンヘッケがヘディングで勝負を決めるしかし、チュニジアの反撃ムードは長く続かなかった。
54分の得点からわずか8分後、オランダは再びコーナーキックを獲得する。
ティジャニ・ラインデルスのボールにヤン・ポール・ファンヘッケが合わせ、強烈なヘディングシュートを決めた。
スコアは1-3。
チュニジアがようやく縮めた点差を、オランダが再び2点差に戻した場面だった。
得点経過一覧| 時間 | 得点者 | 内容 |
|---|---|---|
| 3分 | エリス・スキリ | オウンゴール |
| 7分 | ブライアン・ブロビー | ファン・ダイクのヘディングによる落としから得点 |
| 54分 | ハゼム・マストゥーリ | メイブリのCKからヘディング |
| 62分 | ヤン・ポール・ファンヘッケ | ラインデルスのCKからヘディング |
この4得点から見えてくるのは、オランダがセットプレーで効果的にゴールを生み出したことだ。チュニジアも同じくコーナーキックから得点したが、守備側としてはオランダの空中戦への対応が最後まで課題として残った。
【スタメン・フォーメーション比較】チュニジアの5-4-1とオランダの4-3-3
両チームの先発メンバーを比較すると、守備の人数と攻撃時の配置に明確な違いがあった。
ドイツサッカー連盟(DFB)の試合データでは、チュニジアは5-4-1、オランダは4-3-3として記録されている。
チュニジア
5-4-1
守備を重視した配置
オランダ
4-3-3
幅と前線の攻撃力を重視
チュニジア代表のスタメン
| ポジション | 選手 |
|---|---|
| GK | アイメン・ダーメン |
| DF | アリ・アブディ |
| DF | モンタサル・タルビ |
| DF | ヤン・ヴァレリー |
| DF | モハメド・アミン・ベン・ヒミダ |
| MF | ハンニバル・メイブリ |
| MF | イスマエル・ガルビ |
| MF | ラニ・ケディラ |
| MF | エリス・スキリ |
| MF | アニス・ベン・スリマン |
| FW | ハゼム・マストゥーリ |
| ポジション | 選手 |
|---|---|
| GK | バルト・フェルブルッヘン |
| DF | フィルジル・ファン・ダイク |
| DF | ネイサン・アケ |
| DF | ヤン・ポール・ファンヘッケ |
| DF | デンゼル・ダンフリース |
| MF | ライアン・フラーフェンベルフ |
| MF | フレンキー・デ・ヨング |
| MF | ティジャニ・ラインデルス |
| FW | コーディ・ガクポ |
| FW | ドニエル・マレン |
| FW | ブライアン・ブロビー |
今回の試合では、個々の選手の役割だけでなく、セットプレーでの連携が得点に直結した。
| 選手・関係者 | チーム | 試合での役割・関係 |
|---|---|---|
| エリス・スキリ | チュニジア | 3分にオウンゴール |
| ブライアン・ブロビー | オランダ | 7分に得点 |
| フィルジル・ファン・ダイク | オランダ | ブロビーのゴールにつながるヘディングでの落とし |
| ハゼム・マストゥーリ | チュニジア | 54分に大会初得点 |
| ハンニバル・メイブリ | チュニジア | マストゥーリのゴールをCKでアシスト |
| ヤン・ポール・ファンヘッケ | オランダ | 62分に追加点 |
| ティジャニ・ラインデルス | オランダ | ファンヘッケのゴールをCKでアシスト |
先発メンバーとフォーメーションはJリーグ公式の試合データおよびDFBの記録に基づく。
【シュート数・試合スタッツ】オランダがボール支配率71.4%で圧倒
1-3というスコア以上に、数字からはオランダの優位性がはっきりと表れている。
Sky Sportsの試合統計によると、オランダはボール支配率、シュート数、パス成功数の主要項目でチュニジアを上回った。
両チームの主要スタッツ| 項目 | チュニジア | オランダ |
|---|---|---|
| ボール支配率 | 28.6% | 71.4% |
| シュート数 | 10 | 20 |
| 枠内シュート | 4 | 7 |
| コーナーキック | 4 | 6 |
| パス総数 | 258 | 647 |
| パス成功数 | 199 | 602 |
| パス成功率 | 77.1% | 93.0% |
| 相手ペナルティーエリア内タッチ | 11 | 44 |
| チャンス創出数 | 7 | 15 |
| GKセーブ数 | 4 | 3 |
| イエローカード | 0 | 0 |
| レッドカード | 0 | 0 |
出典:Sky Sportsの試合統計。数値は同社の集計基準による。
注目すべき3つの数字1.ボール支配率71.4%
オランダは試合時間の大部分でボールを保持した。チュニジアは守備に回る時間が長く、攻撃の準備に十分な人数を割きにくい状況だった。
2.シュート数20対10
オランダはチュニジアの2倍となるシュートを記録。枠内シュートも7本対4本で上回った。
単純なシュート数だけでなく、相手ゴール前にどれだけ侵入できたかを示す数字も重要だ。相手ペナルティーエリア内のタッチ数はオランダ44回、チュニジア11回だった。
3.パス成功率93%
オランダのパス成功率は93%。チュニジアの77.1%を大きく上回った。
この差は、オランダが中盤で試合のテンポを管理し、攻撃を継続できたことを示している。
一方、チュニジアのGKアイメン・ダーメンは4セーブを記録。ファン・ダイクやガクポ、ダンフリースらの攻撃を何度も防いでおり、スコア以上に失点を抑えた働きも見逃せない。
【グループF最終順位】オランダ首位、チュニジアは勝ち点0で敗退
チュニジア対オランダの結果は、グループF全体の最終順位にも影響した。
同時刻に行われた日本対スウェーデンは1-1の引き分け。オランダはチュニジアに勝利したことで、勝ち点7を獲得し、グループFの首位を確定させた。
2026年W杯グループF最終順位| 順位 | 国名 | 勝点 | 勝敗 | 得失点差 |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | オランダ | 7 | 2勝1分 | +6 |
| 2位 | 日本 | 5 | 1勝2分 | +4 |
| 3位 | スウェーデン | 4 | 1勝1分1敗 | 0 |
| 4位 | チュニジア | 0 | 3敗 | -10 |
グループFの順位は、各チームの最終戦までの結果を反映したもの。
オランダは首位通過、日本は2位オランダのグループステージの成績は以下のとおり。
- 日本戦:2-2の引き分け
- スウェーデン戦:5-1の勝利
- チュニジア戦:3-1の勝利
3試合で2勝1分、勝ち点7。10得点4失点という成績で首位に立った。
日本はオランダと引き分け、チュニジアに4-0で勝利。スウェーデンとも1-1で引き分け、勝ち点5で2位となった。
スウェーデンも勝ち点4で3位となり、最終的には3位チームの成績による枠で決勝トーナメントに進出した。
チュニジアは3連敗で大会終了チュニジアのグループFでの成績は次のとおり。
- スウェーデン戦:1-5
- 日本戦:0-4
- オランダ戦:1-3
3試合で2得点12失点、勝ち点0。グループ最下位で大会を終えた。
オランダは首位通過後、ラウンド32でモロッコと1-1で引き分け、PK戦で敗退している。グループステージでの強さが、そのまま決勝トーナメントでの勝ち上がりを保証するわけではなかった。
【オランダの勝因・戦術分析】セットプレーと空中戦が勝敗を決定づけた
この試合を戦術的に振り返ると、オランダの勝因は単純な個人能力の差だけではない。
特に注目したいのは、序盤の攻撃、セットプレーの精度、ボール保持による試合管理という3つの要素だ。
1.序盤から攻撃の主導権を握ったオランダ4-3-3のオランダは、前線にブロビー、ガクポ、マレンを配置。中盤ではフレンキー・デ・ヨングやラインデルスらが攻撃の組み立てを担った。
一方のチュニジアは5-4-1で守備ブロックを構築する形だった。
5バックによって中央を固める狙いはあったものの、試合開始直後の失点で守備計画を修正せざるを得なくなった。
さらに7分に2点目を許したことで、守備を維持するだけでは勝利できない状況に追い込まれた。
2.セットプレーの質でオランダが上回ったこの試合の大きな要点は、空中戦だった。
ブロビーのゴールはファン・ダイクのヘディングによる落としから生まれ、ファンヘッケの得点はラインデルスのコーナーキックから生まれた。
チュニジアもマストゥーリがメイブリのコーナーキックから得点している。
つまり、両チームともセットプレーを得点につなげた一方、オランダは重要な時間帯でより効果的に空中戦を制した。
特にファン・ダイクの競り合いとファンヘッケのヘディングは、オランダの高さを生かした攻撃の象徴だった。
3.中盤のボール保持がチュニジアの反撃を制限支配率71.4%という数字は、オランダが試合をコントロールしていたことを示す。
チュニジアはマストゥーリの得点で一時1点差に迫ったものの、ボールを保持する時間が限られていたため、継続的に攻撃を仕掛けることが難しかった。
オランダはラインデルスやフラーフェンベルフらを中心にボールを動かし、攻撃の機会を作った。
そして62分に3点目を決めると、試合を落ち着かせる方向へ進めた。
4.GKダーメンの奮闘もチュニジアの収穫チュニジアにとって明るい材料もあった。
GKダーメンは複数の好セーブを見せ、前半にはガクポやダンフリースのシュートを防いだ。終盤にもファン・ダイクや途中出場のノア・ラングの攻撃に対応した。
4セーブという記録は、チュニジアが一方的に押し込まれながらも、守備陣とGKが最後まで戦っていたことを示している。
ただし、守備の奮闘だけでは、攻撃機会の少なさを補えなかった。
【プロの結論】勝敗を分けたのは序盤の失点とセットプレーへの対応この試合を評価するうえで、最も重要なのは、オランダが単にシュート数で上回ったという事実ではない。
チュニジアは序盤に2失点したことで、5-4-1の守備的なゲームプランを維持できなくなった。その後、攻撃に人数をかける必要が生じ、オランダに中盤での主導権を握られた。
加えて、チュニジアがセットプレーから1点を返した直後に、オランダも同じセットプレーから追加点を奪っている。
これは両チームのセットプレーにおける精度と、試合の流れを読む力の差が表れた場面だった。
チュニジアの課題は、守備の人数を確保することだけではなく、失点後に攻守のバランスをどう修正するかという点にあった。
一方のオランダは、試合序盤から優位性を得点に変え、相手の反撃にも冷静に対応した。グループF首位通過にふさわしい試合運びだったと評価できる。
【チュニジア対オランダ】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:チュニジア対オランダの最終スコアは?
1-3でオランダが勝利した。オランダはグループF第3戦を制し、首位通過を決めた。
Q2:チュニジア対オランダの得点者は誰?
チュニジアはハゼム・マストゥーリが54分に得点。オランダはエリス・スキリの3分のオウンゴール、ブライアン・ブロビーの7分の得点、ヤン・ポール・ファンヘッケの62分の得点で3ゴールを記録した。
Q3:ブライアン・ブロビーのゴールは何分だった?
前半7分。フィルジル・ファン・ダイクがセットプレーから頭で落としたボールを、ブロビーがゴール前で押し込んだ。
Q4:ハゼム・マストゥーリの得点シーンは?
54分、ハンニバル・メイブリのコーナーキックにマストゥーリが頭で合わせた。チュニジアにとって今大会初ゴールとなった。
Q5:ヤン・ポール・ファンヘッケの得点は何分?
62分。ティジャニ・ラインデルスのコーナーキックからヘディングシュートを決めた。マストゥーリの得点から8分後の追加点だった。
Q6:両チームのフォーメーションは?
チュニジアが5-4-1、オランダが4-3-3。チュニジアは守備を重視した配置、オランダは中盤と前線の連携を生かす配置だった。
Q7:チュニジアとオランダのグループF最終順位は?
オランダが勝ち点7で1位、チュニジアは勝ち点0で4位。日本が2位、スウェーデンが3位だった。
Q8:試合会場と観客数は?
アメリカのカンザスシティ・スタジアムで開催され、観客数は68,391人だった。
2026年FIFAワールドカップのグループF第3戦、チュニジア対オランダは1-3でオランダが勝利した。
試合の要点は次の4つに集約できる。
- 3分のスキリのオウンゴールでオランダが先制。
- 7分にブロビーが追加点を決め、試合序盤から優位に立った。
- 54分にマストゥーリが大会初ゴールを決め、チュニジアが反撃。
- 62分にファンヘッケがヘディングで追加点を決め、オランダが勝利を確実にした。
スタッツでもオランダはボール支配率71.4%、シュート20本、枠内シュート7本とチュニジアを上回った。特にセットプレーでの空中戦と、中盤でのボール保持が勝敗を左右した。
最終的にオランダは勝ち点7でグループF首位、チュニジアは3連敗で最下位となった。
この試合は、序盤の失点が戦術全体に与える影響、セットプレーの重要性、そして試合中に攻守のバランスを修正する難しさを示した一戦だった。マストゥーリのゴールという明るい材料を残しながらも、チュニジアにとっては課題の多い大会最終戦となった。