ブルペンデーは、どのチームでも採用すれば勝率が上がる万能戦術ではありません。成功するかどうかは、救援投手の層の厚さ、選手のコンディション、対戦相手の打線、試合後の登板計画によって大きく左右されます。
ブルペンデーが向いているチーム- 救援投手の層が厚いチーム: 1〜2イニングを安定して投げられる投手が複数いる。
- 左右の投手を使い分けられるチーム: 相手打線に応じて右投手と左投手を柔軟に配置できる。
- データ分析に強いチーム: 打者別の対戦成績や投球傾向を把握し、継投計画を立てられる。
- 先発ローテーションに問題があるチーム: 故障や登板間隔などの事情で、通常の先発投手を起用しにくい。
- 救援投手の人数や実力が不足している。
- 勝ちパターンの投手が連投続きで休養を必要としている。
- 長いイニングを安定して投げられる先発投手が十分にいる。
- 連戦が続き、複数の救援投手を休ませる必要がある。
- 予定外の継投に対応できるロングリリーフがいない。
ブルペンデーの成否を判断するとき、最終的な勝敗だけに注目すると、本質を見誤ることがあります。
例えば、ロッテの2023年10月20日の試合では、7回まで無失点でつないだ投手陣の働きは評価できます。一方で、8回に失点したこと、打線が無得点に終わったこと、翌日以降の投手運用に与えた影響も考慮しなければなりません。
専門的に評価するなら、次の観点が重要です。
1. 失点抑制: 投手交代によって相手打線の得点をどこまで防げたか。
2. 継投の効率: 各投手が予定したイニングや打者数を担当できたか。
3. 対戦相性: 左右の使い分けや投手交代によって有利な対戦を作れたか。
4. 救援陣の消耗: 登板した投手が翌日以降も通常の役割を果たせるか。
5. 試合全体の合理性: 先発投手を起用する場合と比較して、チーム全体の失点リスクを減らせたか。
ブルペンデーの本当の価値は、投手を多く使うことではなく、投手陣の能力を試合状況に合わせて最適化できることにあります。
【よくある誤解】ブルペンデーについて知っておきたいこと

実際には、最初に登板する投手は公式記録上の先発投手になります。従来のように長いイニングを投げる先発投手を用意しないという意味であり、試合開始時に投手がいないわけではありません。
誤解2:オープナーとブルペンデーは同じものオープナーは最初の短いイニングを担当する投手の起用法です。ブルペンデーは複数の救援投手で試合全体を運用する戦術です。両者は組み合わせて使えますが、意味は異なります。
誤解3:ブルペンデーなら必ず失点が減る投手交代によって相手打線を抑えやすくなる可能性はありますが、救援投手の調子が悪ければ失点は増えます。継投人数が多いほど勝てるという単純な仕組みではありません。
【FAQ】ブルペンデーとは?に関するよくある質問
Q1:ブルペンデーでは何人の投手を使いますか?
決まった人数はありません。5人程度で試合を組み立てることもあれば、7〜8人以上を起用することもあります。相手打線や各投手の調子、担当イニングによって変わります。
Q2:ブルペンデーとオープナーの一番大きな違いは何ですか?
オープナーは試合序盤に短いイニングを担当する投手の起用法で、ブルペンデーは救援投手を中心に試合全体を運用する戦術です。オープナーの後に本来の先発投手が長く投げる場合は、ブルペンデーとは区別されます。MLB公式の用語解説でも、この役割の違いが説明されています。
Q3:メジャーリーグでブルペンデーが広まった理由は何ですか?
先発投手の不足に対応できることに加え、投手と打者の相性や打順を分析した継投が可能になるためです。2018年のタンパベイ・レイズによるオープナーの活用が、こうした新しい投手運用を広く認知させるきっかけになりました。
Q4:セルジオ・ロモはブルペンデーを始めた選手ですか?
ロモはブルペンデーそのものを始めた選手ではありません。2018年5月19日にレイズのオープナーとして先発し、戦術の普及を象徴する存在となりました。初先発の試合では初回に3者連続三振を奪っています。
Q5:2023年のロッテのブルペンデーは成功しましたか?
10月20日のCSファイナルステージ第3戦では、7回まで無失点で継投しましたが、8回に2点を失い0対2で敗れました。投手陣の序盤から中盤にかけての運用は機能したものの、最終的には勝利につながりませんでした。吉井監督も、短期決戦で先発投手が不足する状況の厳しさを振り返っています。
ブルペンデーとは、従来の先発投手中心の試合運用を見直し、複数のリリーフ投手を短いイニングでつなぐ継投戦略です。
オープナーとの違いは、オープナーが主に序盤の投手起用を指すのに対し、ブルペンデーは試合全体を救援投手中心に設計する点にあります。
メジャーリーグでは2018年のタンパベイ・レイズとセルジオ・ロモの起用が象徴的な出来事となり、日本でも2023年の千葉ロッテマリーンズがCSファイナルステージで採用したことで注目を集めました。
ロッテの事例が示すように、この戦術は先発投手が不足する状況でも試合を組み立てられる反面、救援投手の層の厚さや連戦での疲労管理が大きな課題になります。
2026年の野球を見るうえでも、ブルペンデーは単なる奇策ではなく、投手の能力と相手打線との相性を考慮した選択肢の一つです。
試合中に「ブルペンデー」という言葉を耳にしたら、単に先発投手が早く交代したという意味で捉えるのではなく、監督がどの投手に何イニングを任せ、どの打者との対戦を想定しているのかに注目すると、野球の戦術的な面白さがより深く理解できます。
主な参照資料: MLB公式用語集・2018年シーズン回顧、NPB公式試合記録、日刊スポーツ、デイリースポーツ、パ・リーグ公式情報。